サンフランシスコ 報告 #5
スタディツアーでサンフランシスコに行きました – 09年9月7日~14日
女性と仕事研究所ではスタディツアーでサンフランシスコに行きました。コミュニティ・カレッジ *1や、NPOの保育園 *2 、ファッション・インスティテュート・オブ・デザイン・アンド・マーチャンダイジング( FIDM ファッションやデザインの分野に特化した専門教育機関) *3 、NPOの資金確保のセミナー *4 、女性のための起業支援 *5 、国内DVと国際的な迫害を受けた女性の支援国際シンポジウム *6 の参加や、Women’s Buildingでのアメリカと日本の女性とのミーテイングなどがありました。その他、市役所や美術館、世界遺産ヨセミテ国立公園へ行ったり、もちろんかの有名なケーブルにも乗りました。5回に分けて報告します。今回は#5です。

- コミュニティカレッジ
San Francisco Community College Downtown Campus
Oda’s class and Culinary & Service Skill training Program - NPOの保育園 – The Civic Center Child Care Corporation
C5 Children’s School - ファッション・インスティテュート・オブ・デザイン・
アンド・マーチャンダイジング
FIDM – Fashion Institute of Design & Merchandising
San Francisco Campus - NPOの資金確保のセミナー
Fund Raising Basic: Ms. Susan Fox - 女性のための起業支援
Women’s Initiative for Self-Employment - 国内DVと国際的な迫害を受けた女性の支援国際シンポジウム
Gender-Based Violence Conference
サンフランシスコのNPOが運営する “C5 Children’s School”
滞在4日目となる、9月10日の午前中に、NPOが運営する保育所を訪れた。名称は“C5 Children’s School”。正式名称“The Civic Center Child Care Corporation”の頭文字Cが5つ重なるところから、こう呼ばれているらしい。保育所は州が管理する建物の中にあって、入り口では金属探知器・手荷物透写があり、セキュリティチェックは厳重である。


保育所の設立は1985年。両親のボランティアグループと、州政府の職員たちによって設立された。州政府に勤めている家庭の子どもが優先的に入所できるそうで、3分の1の子がそれに該当する。最初は2ヶ月~3歳児を対象としていたが、1999年に、プレスクールセンター開設し、就学前までの児童を対象とするようになった。
保育料は、2ヶ月~3歳児 – 月額1,851ドル、18~36ヶ月児 – 月額1,683ドル、36ヶ月~就学前(5歳) – 月額1,486ドルとなっている。アメリカの公務員の収入は、職務の内容によってかなり格差があるらしいが、平均月収は4,000~5,000ドルと聞いている。収入の約3分の1が保育料となる。円換算で13~16万円(1ドル=90円)。
日本では、低年齢児の保育料が8万円程度ということだが、アメリカの物価水準やほとんどの家庭がダブルインカムということ考えれば妥当な価格なのかもしれない。何より、それだけの費用を出しても子どもを通わせたいと思うような魅力的な保育所なのだと言うことで納得できる。
運営は、上述の保育料で多くをまかなっている。その他、ファンドレイジング(資金調達:寄付や助成金等)で4~5万ドル集めるそうだ。大口の寄付もあるが、多くは親のネットワークで50~100ドルといった小口の寄付だ。家賃は1,300ドル、修理はしてくれるが、家具は購入しなければならない。


カリキュラムには、イタリアの進んだ教育方法を取り入れ、スタッフは専門的なトレーニングを受けている。子どもに何か強制するのではなく、自由な活動の中から学ぶという姿勢ではあるが、単に子守りをするのではなく、子どもの成長に寄与することを目的としている。子どもとは対等に会話をし、お手本に心がけている。食事やおやつは有機食品を使用している。
保育室は雑然とはしているが、原色のおもちゃは少なく、ホンモノと同じような物が置かれている。音楽教育にも力を入れている様子で、小振りのギターやタンブリンなどで遊んでいる子どもも見かけた。
また、同じフロア(1F)には広いホールがあり、そのビルで働いている大人たちが食事をしたり、ミーテイングをしたりしている。ホールの外側は運動場になっていて、保育所の子どもたちはホールの中をきちんと並んで通り抜け、運動場に向かう。大人は子どもたちが遊ぶ様子を眺めることができ、子どもたちは大人たちが働いている様子を見ることができる。
NPOだからこそできるユニークな教育方法や取り組み。また、それを受入れ、支援する州政府の方針にアメリカを感じることができる。
女性と仕事研究所 主任研究員 甲田恭子
