なくならない「第1子出産」退職
今やすっかり公知の事実になっていますが、フィギュアースケートの安藤美姫さんについての取材がありました。父親の名前を秘してシングルマザーとして仕事を続けるところに多大の興味を持たれているようですが、そこには全ての働く女性に共通のテーマがあります。
それは「キャリアの最も重要な節目の時期に出産が重なり、その上働き続ける条件が不足しているということです。今尚、6割以上の働く女性が第1子出産を期に退職します。しかし、母親を体験して仕事を継続することはプラス面が多いと言われています。異なる体験を通して、幅と深みをますなかでスキルも充実感も高度になります。安藤選手の場合では、表現力も母の伸びやかさも加わって、さらにいい演技が出来るのではないでしょうか」というのが私のコメントでした(p.61)。いつものように話した内容の10分の1程度しか載りません。
そしてこの女性の退職は、自発的というより、極めて不本意な退職なのです。勤務時間が子育てと両立しない。残業が出来ない。保育園がない。子どもの病気には、休まざるを得ない、夫の転勤などなどがその背景にあります。特に管理職経験者や営業の専門家など仕事がよく出来る女性ほど、時短勤務も難しく、いっそのこと辞めてしまおうと退職の道を選びます。しかし、少しの間、働き方に自由度を増やすということはどうして出来ないのでしょうか。
子育てをする女性は、シングル女性と違って仕事はほどほどにしかしたくないと思っているはずだと男性管理職は思いこんでいるようです。そんなことはありません。子どもがほしい女性も仕事を目一杯したいと考えるのも当たり前です。
同じくこの号には、「ガラスの天井を多様性の窓に」(大塚製薬株式会社常務執行役員 笠 章子氏)や「出産退職はなくならないー拝啓 安倍さま 女性たちは疲弊しています」など、安藤選手の関連の特集の他に働く女性の問題が多く掲載されていました。マタニティハラスメント(「マタハラ」)が最近増えているとか。育児休業取得もやや減少気味です。そして非正規労働者がますます増えています。20年前の調査と比べると、非正規の比率は16.5ポイント上昇しました。
ついでに「あえら」のデータをあげます。(p.54、55)
- 約4割が不本意退職
- 両立困難な理由
- 「マタハラ」の横行
- Mカーブの実態
- 出産後の女性の就業形態

