船橋邦子さんの紹介 – このままでは死ねない!

「うちのバラが今キレイなの」とお誘いいただいて
船橋邦子さん
船橋邦子さんと筆者

新しい年が始まりました。

性差別大国・日本ー私のフェミニズムの旅から

スタートを切るきっかけになる日があるのは、やはりいいことだと思います。可愛かったトミー(トイ・プードル 11歳)のことを少しずつ忘れようと決意したり、やりたいこと、やらねばならないことに専念しようと思い直す「新年」は、やはり必要ですね。

私も船橋邦子さんの口癖を真似て、
「このままでは死ねない!」と叫ぶ「新年」にします。

最近出版された「性差別大国・日本ー私のフェミニズムの旅から」(三一書房2025年)を手元に置きながら、私も同じ時代に同じような経験をしながら生き抜いてきた同志としての彼女を紹介したいと思います。

船橋邦子さんは1944年尼崎市の生まれ

望まれなかった女の子として誕生したそうですが、性格はポジティブ、正義感が強くリーダーシップに溢れた小学生だったそうです。中学校では生徒会副会長。神戸高校在学時に先輩の樺美智子(東大生)さんが、60年安保闘争で亡くなる事件がありそれが大学闘争に入るきっかけになったそうです(これは私も一緒)。お茶の水女子大では思いっきり学生運動家。ついで大学院は東大へ。そして東大闘争の渦中に結婚、出産が続きます。

旅の始まりはフェミニズムと出会った時から

国連が1975年を「国際女性年」と定め「平等・開発(発展)・平和」の三大テーマを目標に、性差別撤廃・女性の人権運動に本格的に取り組みはじめた時から(これも私も一緒)。彼女はその後「アジアの女性たちの会」「日本女性学会」に参加します。女性学は運動とアカデミズムが結合しています。

「婦人」と言う言葉が公文書から消え、「僕食べる人、私つくる人」がコマーシャルから消えたのも日本女性学会の活動の賜です。行動すれば社会を変えることができる、逆に声を出さねば差別はなくならないことを実感する日々だったそうです。

私はこの頃、京都精華大学でヌード絵画をフェミニズムで読み解く研究会を7年間していました。

世界に飛び出す船橋邦子さん

国連女性会議 in 北京

1980年の国際女性会議(コペンハーゲン大会)に参加。世界中の女性たちとの出会いが目を開かせたといいます。夫や子どもに気兼ねしながら、姉の助けを借りての出発だったそう
です(私も1980年大会が初参加、気兼した気持ちも同じ)。

船橋邦子さんはその後、アジアの女性たちに目を向けます。アジア女性会議の設立で女性運動に新しい局面をという心意気がありました。そしてアジア初の、最大規模の国連女性会議が北京で持たられることになりました(1995年)。

開会式は、北京のオリンピックスタジアム、2万人を超える女性たちが集まりました。

船橋邦子さんたちは帰国後、政府との意見交換をし政府に発言力を持つための「北京JNC(Japan NGO Caucus)」を発足させ今も活動を継続中です。ポスト北京では参加した5000人以上の女性たちが新たな活動を始めました。

最新著書の表紙になった油画は、金谷千慧子の作品です。私は、北京会議で、ヒラリー・クリントンが「女性の権利は人権である」と何度も何度も腕を振って叫んでいたのをしっかり見つめていました。

バックラッシュと現在の危機への警告

圧巻はここからです。

1999年「男女共同参画社会基本法」が制定されました。国会議員全員の一致で成立したとはいえ、名称も「男女平等法」ではなく、労働の場での差別禁止規定もなく、少子高齢化対策として、経済活動の場へ女性を駆り出す法律だったともいえます。パート労働者に女性が格段に増え、女性の貧困化が増していきます。そして、まさにこの頃からバックラッシュ(歴史のゆり戻し)が全国規模で広がったのです。

まずは審議会の答申案「選択制夫婦別姓制度」に「家族の一体感を壊す」として反対します。ついで「男女共同参画」は、男らしさ女らしさを否定し日本の伝統や文化を破壊するといい、全国津々浦々に張り巡らした草の根組織が、執拗に、自治体を、自治体職員を、フェミニストたちを攻撃しました。フェミニズムを標榜する人たちの反応は、数テンポの遅れをとった。驚いて見守り、尻込みしたと言うところかもしれない。「なぜ?ここまできたのに・・・」(私も同じ経験をしている)。

しかしここからが船橋邦子さんが、ほかとは違うところ。

古い家族制度のもと、女性たちが忍従の生活を強いられてきた時代からの脱却は「人権と民主主義」の時代の到来だったはず。家父長制の世界は、自国中心主義と軍拡、戦争への道、地球破壊、核の脅威へひた走ります。今、人類存亡の危機なのです。そう、フェミニズムが問われています。しかし、危機はチャンスでもあるのです。蓄えてきたエネルギーを紬ぎ、重ね、行動しましょう。若い人たちに委ねるだけでなく、老いる私も、「このままでは死ねない」と行動しよう、と船橋邦子さんは訴えます。耳を澄まして聴きましょう。

1月10日(土) PM7:00 〜 PM8:30 船橋邦子さんによる、
CCWスタートアップ記念招待講演会(ONLINE)
がスタートします。ぜひご清聴ください。


「性差別大国・日本ー私のフェミニズムの旅から」
「性差別大国・日本ー私のフェミニズムの旅から」へ 三一書房 ISBN 978-4380250033 発売日 2025/11/4 Amazonで見る

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