懸案だった「間接差別禁止」は、限定3項目だけに

      2014/10/23

6月15日衆議院で改正均等法政府案が成立した。大きく報道されることもなく会期間際のあわただしい成立であった。今回の第2次改正の目玉は間接差別の法制化であった。職場の女性差別は多少は減少しているものの、最近の厚生労働省の調査でも、民間企業の管理職に占める女性比率はわずか5%。この数字は、世界の先進国のなかで圧倒的に低く、「男女平等」の面では日本は最後進国といわれている。最も期待されていたのは、パートタムとフルタイムの差別を禁止する「間接差別禁止」であった。前回改正時(1997年)に、次回は検討する旨の附帯決議もあった。現実には女性の非正規化が大幅に進んでおり、拡大する格差を解決しなければならない状況になっている。

国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)から日本政府に対して「男女の賃金格差、間接差別、パート、派遣の低賃金を懸念し、均等措置を執ること」、という是正勧告が繰り返し出されている。「間接差別の禁止」は、世界的な流れであり、欧州連合やアメリカ、韓国でも禁止されている。わが国だけが、国際社会から取り残されたまま、日本政府は崖っぷちに立たされている。このたびの改正で「用語」だけがようやく法律に明記されることにはなった、と喜ぶだけでいいのか。

今回限定列挙となった実質的に差別につながるおそれがあるとされる3項目とは、①募集または採用における身長、体重、体力要件 ②コース別雇用管理制度における総合職の募集または採用要件 ③昇進における転勤経験要件の3つだけである。

その他の主な改正点は、1)男女双方に対する差別を禁止することで、女性だけでなく、男性にも同等に適用し、従来は女性の仕事だった看護師や保育士の募集・採用で、男性を差別することを禁止する。2)セクシャルハラスメント規定が企業の配慮義務から措置義務へ強化。男性もセクハラ被害者の対象になる。3)ポジティブアクションの効果的推進で、企業が数値目標を定めて、女性を計画的に採用、昇進させる実効性を高める支援をするなどである。

しかし、そもそも、いつまで「男女雇用」なのだろう。「男女雇用平等」や「雇用差別の撤廃」に関する法律に解明されないのか。

さらに、パート・派遣などの非正規で働く女性の方が多くなってしまっている現状で、多数派のことを視野に入れない均等法は誰の利益を守っているのか。このまま手をこまねいて眺めてていいのか!この私。

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 - 女性と法律

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