ミモザの日に寄せて 女性とNPO活動、半世紀を経て

   

3月も後半になりました。庭のさざんかが満開になりました。暖房が要らない日が増えました。寒さで凝り固まった肩の筋肉がほぐれる気がします。

なぜ「女性とNPO活動」なのか
2024年は世界中で「選挙YEAR」だったこともあって、先月まで政治と女性問題(フェミニズム)に焦点を当ててブログを書いてきました。アメリカの大変貌とその後がとても心配ではありますが、今月から少し視点を変えて「女性とNPO活動、半世紀を経て」と題してしばらくブログを綴っていきたいと思っています。もちろん「政治とフェミニズム・ジェンダー平等」は最も関心のあるテーマですので注視していきたいと思っていますが、私にとって最も身近で、気がかりなテーマは、私が係わって半世紀を経た「女性とNPO活動」の発展ということです。このテーマでは、女性がNPO活動に係わる際の課題ということもありますが、女性差別を解決することをミッションとするNPO活動の課題ということもあります。さらにNPO活動が政治を変えられるかとか、女性もともに社会変革を担うリーダーとして対等な活動がNPO活動を通して可能かという課題もあります。
特に、「日本の」NPO活動に限定して考えると、世界における日本のジェンダー格差指数などが示すように、日本の女性の地位は世界でも極めて低い位置にあり、女性差別がまだまだ当たり前のようにはびこっていますので、フェミニズム理論だけでは太刀打ちしがたく、家父長制など日本的な制度にこびりついた性差別が、ジェンダー平等に向けた活動を阻んでいます。それでも尚、今、これらの日本の現実が「女性とNPO活動」にどうかかわり、今後どう前進を遂げられるのかを自分の経験を紐解きながら、少し考えてみようと思います。かなり長く生きてきて、しかもかなり真面目にNPOに取り組んできたNPO第1世代として、自分の足跡から気づいたことが、今後「女性とNPO活動」の発展に何ほどかでも役立つ発言ができればいいなと願っている次第です。この際ですから、2004年2月1日あら20年にわたって書き連ねてきたブログ、約180本も(http://kanatanicheko/com)にも目を通したいと思っています。これらは「女性とNPO活動」を大きなテーマにしていますが、項目としては、女性と仕事」「女性と宗教」「女性と政治」「女性と政策」「女性と法律」「女性の収入」「女性の活躍」「女性の起業」「油絵」「社会運動」になっています。

(注)世界経済フォーラム(WEF)は2024年6月12日、男女格差の現状を各国の統計をもとに評価した「Global Gender Gap Report」(グローバル・ジェンダーギャップ・レポート、世界男女格差報告書)の2024年版を発表しました。日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中118位で、過去最低の順位だった前年(146カ国中125位)から小幅に持ち直しましたが、政治・経済分野は138位と低迷が続き、男女格差が埋まっていない現状が改めて示されています。

なぜ「ミモザの日に寄せて」なのか
「ミモザの日」は「国際女性デー」のことです。1975年、国連により制定された3月8日の記念日「国際女性デー」のことです。「国や民族、言語、文化、経済、政治の壁に関係なく、女性が達成してきた成果を認識する日」とされており、この日は世界中の国々で記念行事が行われます。現在は国連事務総長が加盟国に対して、女性への差別撤廃と平等な社会参加の環境を整備するよう呼びかける日となっています。
女性差別の撤廃、男女平等は世界の目標です。国連を中心として、世界の男女格差(グローバル・ジェンダーギャップ)をなくすことを世界の目標として、半世紀が経ちました。「国際女性デー」の起源は1904年3月8日、アメリカ・ニューヨークで女性労働者たちが女性参政権を求めるデモを起こしたことがきっかけだとされています。その後1910年にはコペンハーゲンで会合が行われ、女性の権利を求める運動に敬意を表して「女性の日」が制定されました。
一方、「国際女性デー」が「ミモザの日」と呼ばれているのは、3月8日に男性から女性へミモザを贈るというイタリアの文化が世界的に広まったことに由来しています。ミモザは春を待ちかねる早春の花です。国際女性デーの頃のイタリアでは、花屋さんにミモザが並びます。ミモザには『感謝』『思いやり』『真実の愛』といった花言葉があり、「大切な人やお世話になった人に贈る花」としても親しまれています。明るく可愛らしい見た目とポジティブな意味をあわせ持つミモザの花は、女性のための記念日にふさわしいプレゼントだと言えます。イタリアで生まれたこの文化は世界中に広まり、今では3月8日に多くの人々がミモザを贈り合っています。ミモザを贈る相手は恋人に限らず、母親や姉妹、友人、職場の同僚や上司なども対象です。「ミモザの日」は世界中の女性たちの自由・平等、性差別の撤廃を気持ちを込めて「国際女性デー」と「女性の日」と「ミモザの日」を統合させたのです。
そこで私も国際的なフェミニズムの広がりを願って、イタリアでうまれた女性への敬愛と感謝の文化を合わせて、「ミモザの日に寄せて」というタイトルにしました。「女性差別解消」は世界で手を携える課題だからです。

男性が女性に贈るミモザの日

今月の絵紹介 「マリア像にもミモザがいっぱい」(金谷千慧子F10)
ちょうど3月8日にローマに滞在していたときのことです。花屋さんだけでなく、喫茶店もブティックも雑貨屋さんも窓際はミモザが飾られていました。それぞれのお店は花瓶なども美しくしつらえ、芸術的な空間になっていました。
街中いたるところに出店が出ていて、ミモザの花束でいっぱいでした。観光客にも、男性からひざまずいてミモザのプレゼント(無料)、教会のなかでも、思わず顔がほころびる参拝の女性たち(無料)。とても和やかな午後でした。道路際のマリア像にも大振りのミモザが飾られていました。(この項目は2020年3月25日のブログからです。)

 - NPO, 海外事情

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

深い悲しみと炎のなかのラジオ -『母たちの村』を観て

神田の岩波ホールで『母たちの村』を観た。「アフリカ映画の父」といわれるウスマン・ …

ソウルであった女性たち その4 ~クロアチアの女性 ほか

ソウルであった女性たち その3」の続き 目次 カナディアンインディアンの女性 フ …

no image
プロボノ養成セミナーの開催にあたって 2012年9月16日

プロボノ(pro bono)という聞き慣れないセミナーにようこそご参加頂きまして …

中欧の旅 ④ Death Camp─アウシュビッツ

ポーランドのみならず、ヨーロッパにはこんなに多くの教会があり、「汝の敵を愛せよ」 …

子ども連れ去り事件の増加とハーグ条約

English Japan Times 2011年12月3日記事に関連して 1  …

アジア(日・中・韓)女性フォーラムに参加しました その2

お茶 お茶のセレモニーがありました。ゆったりしているので、大阪人には少しまどろっ …

こんなときだからこそ 国際女性DAY

コロナウイルスが広まる中で コロナウイルスの拡大で世界は一変してしまいました。1 …

みなさまもお気をつけあそばせ!

2週間アメリカへ行っておりました。西海岸のサンフランシスコに1週間、それからニュ …

新たなタイプの女性の政治リーダー蔡英文

新しいタイプとは 台湾初の女性総統に選ばれた蔡英文(さい えいぶん、ツァイ・イン …

芸術は民主主義と自由の柱です。