中欧の旅 ③ マリオネットに込められた願い─魔女は健在でした
2014/10/23

お店の前で「まあ美しい!」
チェコの伝統芸能マリオネットは有名である。国立マリオネット劇場はその日も公演していたのだが、時間に間に合わずいけなかった。大人料金で2000円程度、プラハだけでも50以上の劇場があり、それぞれ各地方都市それぞれに、劇場や劇団を持っている。午後8時からでどこの劇場も毎日満員の状態。残念だった!

カレル通りの「王の道マリオネット劇場」
それぞれの公立人形劇場では、公的資金として1億4・5000万円~2億円ぐらいの予算が国から出ていて50人ぐらいで運営しているそうである。チェコの人形劇はイタリア方面の旅芸人が持ち込んだものだが、18~19世紀ハプスブルグ家の支配を受けていたころドイツ語使用が強制され、その抵抗として人形劇ではチェコ語を通したのだそうだ。民族復興運動とともに知識人や芸術家の支援もあり、スメタナやドボルザークも人形劇のために曲を書いていている。

劇場入り口、今日の出し物も「ドン・ジョバンニ」
「チェコ国立芸術アカデミー」(芸術大学)には人形劇学部があり、人形劇を専門に勉強することができる。卒業後は劇場や劇団で活躍する将来設計が可能であるという。それを知ってやっとわかったのが、ロンドンで、芸術大学の日本人女子学生が、プラハの人形劇に出会って、専攻を変えようか迷っているという話を聞いたことである。「わざわざどうして?」なんて思ってしまっていたが、はじめて理解できた。
プラハの街では、あらゆるマリオネットを陳列しているお店や土産物やさんもあり、カレル橋では人形を操っているおじさんもいる。また多くの大道芸人が自分の芸を磨いていて、彼らはそれで食べていける程度に収益もあるのだという。
マリオネットを売っているお店には、魔女のマリオネットもいた。魔女が集積しているお店もあった。「うちはハンドメイドなんだ。手を叩くと目が光って声を出すんだ」と自慢しているおじさんからあまり気高い顔つきではない魔女を買った。私が求めている凛とした魔女ではないのでやはりあまり気に入っていない。

プラハ旧市街の旧市庁舎の天文時計 毎時に仕掛けが動く、上の小窓から鶏が顔を出す、集まった観光客から一斉に拍手がわく
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