女性のリーダーシップとアサーティブトレーニング
2014/10/23
最近、外資系の女性リーダーシップの研修に参加しようとしたが、結局かなわなかったことがありました。この研修の講師は1975年に初版を飾り、その後、版を重ねて米国の女性のバイブルになっている「The Assertive Women(アサーティブ・ウーマン)」の著者StanleePhelps&NancyAustinのひとりスタンリー・ヘルプスさんなのです。
1980年代の米国では女性の管理職(課長以上)はもう30%を越えていました。米国でも管理職といえば男性的な振る舞いをすることと考えられていたのを女性たちは、もっと自分らしく管理職をやっていくために、双方の関係性としてアサーティブを実施し始めました。米国の働く女性のもう一つのバイブル「フェミニンリーダーシップ」(マリリン・ローデン山崎武訳1987年)と双璧をなすものだと思っています。
これから阿倍総理に後押しされて、あちこちで女性のリーダシップトレーニングが増えるでしょうが、「アサーティブ」を取り入れたカリキュラムでないと従前と同じ、男性的リーダーの数を増やすだけになって、結局は女性も苦しくなり、成長戦略も不可能になるだろうと思うのです。
アサーティブが必要なのは女性だけでなく男性も同じでしょうという声があるかもしれません。もうこの時代に女性だけの問題というのは古い、という考えもあるでしょう。女性問題ではなく、男女問題、人間問題と名前を変えた女性学の科目もあるように。
たしかに自分自身をアサーティブに表現する能力は、人間にとって基本的な、男女双方に望ましい特性です。しかし現状の日本では女性は大きな不公平に直面しています。男性がアサーティブを目指そうとすると、女性が願う場合よりも遙かに支持され奨励されます。アサーティブな男性は、尊敬もされます。一方、女性のアサーティブはしばしば迫害されます。女性たるもの女性の正しい立場(従属的な立場)を心得ておくべきだという暗黙の期待が依然として存在しています。アサーティブに表現するのは、この規範をはみ出すのですから、女性の行為はいつでも歓迎され、尊重されるはずはありません。
非常に長い間、女性たちは自分の考えや感情や能力、欲望を意識的に否定してきました。そこでアサーティブトレーニングで、そこを静かに解放し、自分の考えや感情を表現する能力を確保をすることは、女性自身も自尊心が拡大し、自分自身や周囲とももっと良い関係を結べる、そんな選択が出来る人間に成長するのです。
女性のリーダーにアサーティブな自己主張はとても重要だと考えています。
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