恐ろしい勢いで進む女性の貧困化

   

女性の活躍が叫ばれる一方で、女性の貧困化が恐ろしい勢いで進んでいます。

女性の就業環境

女性の就業環境は非正規が常態化していて、女性の就業者(役員、自営業主、家族従事者を除く)の57.0%が「非正規で、パート、アルバイト、派遣、契約、嘱託など」となっています。(2014年厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」)

シングルマザーの貧困

女性の勤労者世代(20~44歳)では、単身者は3人に1人が「貧困」です。それが20~64歳のシングルマザーになると57%が「貧困」です。これらの数字は経済協力開発機構(OECD)の中では最下位です。また、日本のシングルマザーは就業率80.6%で、世界のどの国よりも働いているにもかかわらず貧困なのです。
シングルマザーの就労による所得は平均179万円しかありません。働いても働いても貧困、ワーキングプアです。生活意識の状況を聞くと「生活が大変苦しい」という人が49.5%と半数を占め、「やや苦しい」を含めると84.7%が生活の困窮を訴えています。

ひとり親世帯の貧困率は最下位

20160222

女性の活躍、シングルマザーに必要なこと

女性の貧困は次の世代へ引き継がれていきます。世代を超えて長引くと、社会全体を内側からぜい弱にしていきます。「女性が輝く社会」と声高に叫ぶ前に、シングルマザーが子育てと仕事を両立できる環境整備が、「女性の活躍」政策には最も重要なことだと思います。シングルでがんばっている母親に、男性正規社員と同じ程度の報酬が行き渡るよう、例えば保育料無償、子ども手当、住宅の無償といった賃金の改定を望みたいと思います。

 - 女性と仕事, 女性と政策, 女性の活躍

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

待ったなしの年の瀬

気候変動、地球の異変に待ったなし(その1) 大人は子どもたちの未来を奪ってはいけ …

「ジェンダー平等の種を蒔きつづけて・・藤枝澪子の足跡」 出版記念会に参加して

「おんなの解放をどう闘うか」という視点 去る12月2日、「ジェンダー平等の種を蒔 …

no image
「ワークライフバランス」についての日経新聞の取材から

日経新聞記事(pdfファイル) 記事はPDFにしていますが、 あんなに多くしゃべ …

ワーキングプアのための新しい社会デザイン-コミュニティカレッジの役割-

上記は09年1月から、大阪市立大学文化交流センター(大阪駅前第2ビル6階)の卒業 …

no image
《No.2》 女性に特化した「キャリア形成支援」の必要性

人材育成学会第3回年次大会(於:文教大学)で「キャリア形成支援とジェンダー」とい …

no image
東京都「男女雇用平等推進セミナー」が 好評に終わりました

6月20日(火)夕刻 東京しごとセンターにて 「しびれるほど仕事を楽しむ女たち」 …

2024年秋  世界中で選挙の季節、日本の場合 衆議院議員選挙(第50回)と「選択的別姓結婚」制度、「103万円問題」「戸籍制度」、「皇室典範」のこと (その3)

国連女性差別撤廃委員会は日本に夫婦別姓の導入を勧告。皇室典範の改正も 朝日新聞デ …

職場のハラスメントを禁じるILO条約、日本は?

ILOの年次総会で6月20日、初めて職場でのハラスメントを禁じる条約案が採択され …

「女性と仕事、なんでもそうだん」始めます

「女性と仕事、なんでもそうだん」始めます。

2024年秋、日本の政治と企業は変わるのか(その2) NPO活動を振り返る

NPO女性と仕事研究所がCSR(Corporate Social Respons …