公的教育支出、日本は最下位

      2017/10/07

OECD(経済協力開発機構)は2017年9月12日に、加盟国の教育に関する調査結果を公表した。
教育機関への公的支出について、国内総生産(GDP)に占める割合(2014年時点)を算出したところ、日本は3.2%で、データのある34か国中最下位であった。最も高いのはデンマークの6.3%、ノルウェー6.1%、アイスランド5.7%と続く。日本は07年のデータから最下位が続いている。公的支出と私費負担を合わせた支出の割合では、日本は4.4%で33か国中26位である。

日本では義務教育はともかく、大学進学は個人の努力、家庭の問題とされ、公的支出は抑えられており、次世代の育成は自己責任にされている。さらに女性に言及すれば、女性の4年制大学進学率は男性より8ポイント近く低く、特に大学院では差が開く。そのことは女性の指導的立場の人材が少なくなるということである。女性研究者の比率もOECD調査で最低となっている。

女性研究者の割合(国際比較) 文部科学省ホームページより

上のグラフ掲載ページ
平成18年版 科学技術白書 第1部 第2章 第4節 2─文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa200601/001/002/0402.htm

女性の指導的地位を30%以上にするという国際的公約(2020年に30%にする<内閣府>)には、教育への公的支援を男女平等に実現することが必要である。そしてやり直し教育にも、大学・大学院の門戸をもっと開くべきである。

 - 女性と仕事, 女性と政策, 女性の活躍, 海外事情

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

NPOという言葉も知らなかったころのこと─NPOで生きる女性たち

はじめに─私の30年 無認可保育所の運営をはじめて 先日の記事(阪神淡路大震災か …

「N女」ってご存知ですか?「N女の研究」(中村安希著)紹介

NPOの新しい働き方を生み出す「N女」たち 「N女」とは何か 2016年11月2 …

ミモザとローマのプリマヴェーラ(春)

イタリアの春は、最初に花をつける黄色いミモザの花束とともにやってくる。3月8日の …

10月15日(金)ワーク・ライフ・バランス推進フォーラム大阪

第1回「ハッピーキャリア企業表彰」にぜひお越し下さい 主催:女性と仕事研究所/株 …

インド紀行 その2 ~インドの家庭訪問

仁賀 順子(女性と仕事研究所研究員) 日本から入った「オートリクシャ」健在 デリ …

ナワル・サダウィは健在!イスラム教は女性を抑圧する

エジプトはアラブの春の成功事例だと思われていましたが、今、混乱の収束は糸口が見え …

no image
「ワークライフバランス」についての日経新聞の取材から

日経新聞記事(pdfファイル) 記事はPDFにしていますが、 あんなに多くしゃべ …

アメリカ報告第2弾 なんといっても『Women’s March』!

今回のアメリカ訪問の目的の一つは”Women’s March”に参加することでし …

From ロンドン No.2

イギリスのコミュニティカレッジ イギリスのコミュニティカレッジの最大の目標は「職 …

与謝野晶子を唄う

5月29日は大阪、堺の生んだ「平和と平等の姉」与謝野晶子の命日です。 私の魂の星 …