人生100年会議での提案-やり直し職業教育

      2017/10/03

政府に有識者会議「人生100年時代構想会議」というのが発足しそうである。

世界に例を見ない長寿大国を迎えている日本は、従来の教育や雇用の仕組みが通用しなくなりつつある。女性の教育と雇用に限定していえば、学卒時だけは正社員待遇、子育て後あるいは2度目の就職はすべて時間給の非正規労働者(女性の6割)で、年収200万円そこそこの年収が生涯続き、年金の少なさに直結する。

これを改める提案が、人生100年会議の初回に招かれた英ロンドンビジネススクール教授リンダ・グラットン教授からなされた。やり直し職業教育である。人生の初めに学校教育を、それから仕事、引退(老後、死)という設計では、人生が長くなりすぎるようになった。その長い人生に女性の貧困、次世代の貧困がのしかかり、今や国自体が貧困の時代になりつつある。

いつでも、誰でも、どこでも人生をやり直せる、やり直し職業教育制度を一日も早くめざしてほしい。
今まで深く深く根を張った、学校教育─文科省、雇用─厚労省の壁を崩すのは用意ではないかもしれない。また働き方の大改革、保育所の大増設(育児休暇ではなく)、パート賃金の大改革なども早急の課題であるが、男女がともに仕事で、何度変えても、平等な待遇を受け、ともに税を支払い、次の世代を培っていくことは当面の最大の有益な政策転換である。

リンダ・グラットン教授のホームページ(英語)

小さい秋みつけた

 - 女性と仕事, 女性と政策, 女性の収入, 女性の活躍

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

夢と志をかたちにする女性経営者  キーワードは「メンター」

男性社長の企業より、ずっと、働きやすい 「女性が経営する企業における女性が働きや …

だいじょうぶでしたか?  ―熊本大地震に寄せて

昨夜の警報で熊本市での震度7の地震を知りました。懐かしい熊本の友人の安否がとても …

人材育成学会第7回年次大会で3人で発表しました

日時: 2009年12月13日(日) 会場: 杏林大学医学部付属病院 杏林大学医 …

母の日

昔、母性神話に悩まされていた。「保育所に預けるなんて、母性というものがない人だ」 …

もうすぐ春、一人ひとりの春、なにかあたらしいことに想いを馳せる春

女性と仕事研究所では、新しい春にキャリアカウンセリングをはじめます。 専門のキャ …

2024年秋、日本の政治と企業は変わるのか(その2) NPO活動を振り返る

NPO女性と仕事研究所がCSR(Corporate Social Respons …

no image
女性の力を活かすこと

―またしても提言、「女性の潜在力を活かせ」日経新聞(2013年5月31日、日本経 …

2015年テロへの不安にSOFT POWER(ソフトパワー)こそ女性のリーダーシップが“カギ”

恒例の今年の漢字は「安」だった。第2位は「爆」第3位は「戦」だという。 その背景 …

2024年秋  世界中で選挙の季節、日本の場合 衆議院議員選挙(第50回)と「選択制別姓結婚」制度、「103万円問題」「戸籍制度」、「皇室典範」のこと (その2)

衆院選(定数465)は連立政権を組む自民党と公明党で過半数(233議席)を確保で …

ワーキングプアのための新しい社会デザイン-コミュニティカレッジの役割-

上記は09年1月から、大阪市立大学文化交流センター(大阪駅前第2ビル6階)の卒業 …