林 弘子さんが急逝された。なんと残念な…

   

福岡の友人から連絡を受けた。宮崎公立大学長(平成23年より)だった林弘子(はやし・ひろこ)さんが、11月21日、宮崎市の自宅のお風呂場で死去されたとのこと。今一番お風呂場での事故が多い季節です。

林弘子さんは、数少ない女性労働の理論家、女性労働法研究の第一人者です。その人を失って、今後の日本の大きな柱が折れたような気持ちがする。

林さんは九州大大学院修了。米コーネル大研究員などを経て1985年から福岡大教授(労働法)。弁護士資格を持ち、セクハラ事案を数多く担当、福岡大のセクハラ防止対策委員も務めたことから、教職員によるセクハラが相次いでいた宮崎公立大に招かれ、2013年4月、学長に就任された。

1989年「セクハラ」が流行語大賞にもなったが、それは福岡キュー企画裁判の影響がいかに大きかったかということ。林弘子さんが書いた鑑定意見書がそのまま取り上げられ、判決が確定した。そして判例法理として確立し、その後のセクハラ裁判に広く使われている。セクハラ事件のリーディングケースとなった。

最近はfacebookでの行き来になっていたのですが、私の油絵に興味を持っていてくれていた。聞けば、「自分も本当は絵を描きたかったが、才能の見極めがつかなかったし食べていけるのか」と思ったので、法学者への進路を決めたそうだ。

林弘子さんには、これから、女性のパート労働の差別をぶち壊すブルドーザー役になってほしかった。残念!!さびしい。

 - ブログ, 女性の活躍

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

「炎の画家三岸節子」・・・「女の描く絵」からどう飛躍したのか

吉武輝子著「炎の画家三岸節子」(文芸春秋社)を読み終えました(前回紹介した本です …

女性の、女性による、女性のためのNPOの可能性

出版を記念したセミナーで「女性NPOの未来」について、講師をしました。 2019 …

この秋、投票に行こう!―女性に光が当たる政治へ

職を奪われる女性たち 新型コロナウイルス禍は、女性により深刻な影響を及ぼしている …

与謝野晶子「山の動く日来る」の再来を! その1

最近、長年与謝野晶子研究をしている方とお付き合いが復活しました。それをきっかけに …

フェミニズムとわたしと油絵(2013~2023)(その16)  展覧会から2か月を経て

1 大阪市中の島中央公会堂にて10月15日(日)から19日(木)まで、「金谷千慧 …

スマートパワー(Smart Power)

スマート・パワーが成功への道 2013年2月1日ヒラリー・クリントン(Hilla …

タリンの花屋さんは染色しているの?もう一度エストニアから。

 IT王国とは、もれない情報網を確立すること 旅の最後は、再びエストニア・タリン …

極暑お見舞い 2018年の夏―地球の悲鳴が聞こえます

酷暑が続いています。皆様この極暑をどのようにして乗り切っておられますか。 「平成 …

ブログ復活!

International Women’s Day は、日本では少し下火になって …

フェミニズムとわたしと油絵(2013~2023)(その3)

趣味の油絵を再開して10年になるのをきっかけに、「フェミニズムとわたしと油絵」と …