今年の風、どこへ向かってー2021年の重大ニュースより
2022年が明けて10日経ちました。コロナウイルスはさらに変異を遂げて拡大中です。昨年末、私も世界の重大ニュースを考えてみようと書き出してみました。それらは確実に2022年に引き継がれ、さらに深刻な状況になっているといえます。今年はどこへ向かって何をすべきなのか、まず念頭にあたり考えたいと思います。
1 最も人類に影響を与えたニュースとしては、コロナウイルスの感染拡大だと思います。まだ原因も今後の終息も見通しがつかないまま、世界中が大きな打撃を受けています。
新型コロナの世界での感染者数は307,141,630人( 死者 5,488,597人)で3億人を超え、(1月10日14時現在アメリカジョンズホプキンズ大学の集計)、現在も進行中です。
ウイルスの拡大には生物多様性という環境問題が深く関わっています。私たち人間は、自然共生の真の意義と向き合う必要性を突きつけられました。このウイルスは自然界の中で野生動物の中でひっそりと生きていたのに、それを人間が自然破壊を繰り返す中で、人間社会に噴出し、グローバル経済に乗って瞬く間 に全世界に拡散してしまったのです。人間が 経済成長を求める限り、人間の欲望に巧みに潜んで生き続けるのがウイルスだと言えます。
そしてそれがやがて人類の滅亡へとつながらないと誰が言い切れるでしょうか。
2 次いでの重大なニュースは、アメリカの大統領選挙で、ジョー・バイデンが勝利したことです。トランプ前大統領が、アメリカと世界の絆をずたずたに切り裂いたあと、修復に忙しいジョー・バイデンですが、このままトランプ政権が続いていたら、アメリカはもとより世界中がさらに地球破壊、人権侵害へとあゆみ 早めていたことでしょう。バイデン大統領は、副大統領に女性のハリス氏を指名したことも関連した重大ニュースです。
3 アメリカのアフガン侵攻から20年、タリバン政権が復権したこと
2001年9月11日のアメリカへの同時多発テロから、アメリカブッシュ政権は、「テロとの戦い」を外交・安全保障の柱に掲げました。アフガニスタンには同時テロを首謀したウサマビン・ラディンをタリバンがかくまったとして侵攻し、アメリカ軍を駐留させ、タリバン勢力の掃討に努めました。その後の20年間、アメリカは憲法や選挙といった民主主義の制度整備を進めてきました。しかしインフラフラ投資や資源開発は進まず、多くの市民が貧困に苦しむ一方、政権内では深刻な腐敗が横行しました。アメリカの民主化の失敗を象徴する出来事でした。そして8月15日、首都カブールに侵攻しアフガンを制圧し実権を掌握しました。
2021年8月末日、アメリカ軍が撤退すると、タリバンの実効支配がはじまった。女性たちへの侵害(女性の教育が否定されること、女性の就業が否定されること、女性がフルカなどというベールを強制的にかぶらされること、女性の政治参加が否定されること)などが矢継ぎ早に起こっている。そして子どもたちが寒空の下、食料難と住宅の破壊で厳しい状態にさらされている。3歳の女の子を売る家族、自分の臓器を売る父親、なんと悲しいかぎりのタリバンの征服ではなのか。
アフガニスタン診療所での風景
4 テニスの大坂ナオミ選手がBlack Lives Matter 運動を象徴する存在になった。
大坂ナオミ選手は3年連続で、タイム誌「世界で最も影響力のある100人」に掲載されました。2019年に選ばれた理由は、多様性の象徴として。2020年は人種差別に対するスリートとしてのパフォーマンスを高く評価して。そして2021年の掲載は大坂なナオミ選手がBlack Lives Matter 運動の象徴として世界を揺り動かしたからです。2020年にはジャーナリストの伊藤詩織さん(日本人の生き方を変えたとして)も選ばれています。大坂ナオミはさんは、黒人男性が警官に銃撃された事件について、「自分はテニスプレーヤーである前に黒人女性である」「黒人女性としてテニスを見るより重要なことがあると思う」と発信しています。2020年全米オープンで大坂選手は、試合ごとに亡くなった黒人の名前が書かれたマスクを7枚着用して入場しました。決勝戦まで進んだことでその7枚全てを披露しました。全米テニス協会(USTA)は男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)との連名で、「テニス界は結束して、人種的不平等や社会的不公正と対峙する」と、大坂選手に同意して黒人差別への抗議の意思を示しました。アメリカのスポーツ界がアスリートの社会的なメッセージを認める世界へ変貌したとも言えます。私たちは今後、大坂ナオミをどのように評価していくのでしょうか。私たち日本人の多様性が問われています。
5 日本の重大ニュースとして森元総理の「わきまえる女性」発言により、女性たちが女性差別の実態よくわかり、森氏のオリンピックの第1の席から引きずり降ろしたことは、今後の日本に明るさを取り戻しました。オリンピックは誰のためのものかをも明らかにしたのです。
6 個人的には、夫が亡くなったこと
5月6日のことでした。それから8か月が過ぎました。自律(自己決定)を繰り返しながら自立(身体的・経済的・社会的)して生きていくことは、楽しいことでありまた厳しいことであることがよくわかってきた今日このごろです。
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