フェミニズムとわたしと油絵(2013~2023)

   

油絵再開から10年
油絵を再開してからもうすぐ10年になります。10年も一つのことをやり続けたら、一応どんなことにおいても一人前にはなるはずです。私は一人前にはなれたでしょうか。とてもとても、無理なことです。
でももう10年もやったのだから、今後につなげるためにも、ここらで少し、立ち止まって自分の方向性を見定めたいと思い、今回、少し10年の歴史をまとめました。自分の方向性を見定めたいなどといっても私はもう83歳の後期高齢者です。
どこといって不自由なところはないものの、これから先に向かって、どのくらい時間が残されているのか、それはもう少ししかないかもしれません。
でも、それは、まあ 行きつくところまで行くこととして、この間一番思い悩んだというか、今回、自分の中で結論を出したかったのは、毎回(というほどでもなく3分の1ぐらい)のテーマがヌードだったことに関してなのです。自分ではきちんと取り組めなかったことです。

ヌードモデルを前にして
私はずっとセクハラにあっているような感覚で対峙していました。私のように専門に画の修行をしたことのない人間にとって、人物をまじかに直接見ながら練習できるということはありがたいことだったのですが、覚悟ができていなかっただけに、いつも自分の身体と比べられているようで、おどおどして、真剣味が足りず、練習は身につかなかったのです。人物画の上達には繋がらなかったのです。残念なのですが、困惑のままの状態が続いていました。昨年から担当する先生(画家)が変わったこともあり、ヌードは無くなりました(ホッ)。
それで今回10年を振り返って、そのタイトルを「フェミニズムとわたしと油絵」としたのは、ヌード絵画に対するフェミニストと自称している私として、気持ちを整理することが目的でした。過去に書いた文章に手を入れたのもあり、今回改めて筆を起こした部分もあります。

フェミニズム・アートの昨今
フェミニズム・アートが諸外国ではもう普遍的な美術界のテーマになっており、進展目覚ましい時代をむかえているのに、日本では、まだまだ主流にはなっていません。女性たちが美術という世界でのびのびと表現できることが、早く当たり前になるようにという気持ちを込めて、つたない文章を始めることにします。少しずつブログでも紹介せていただきたいと思っています。
今回は目次ができましたので掲載させてもらうことにしました。個展も準備したいと思っています。その節は、ご案内をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

もくじ紹介
フェミニズムとわたしと油絵(2013~2023)
はじめに
第1章 絵心のはじめ
1 NPO法人の仕事をリタイアーして
2 火事跡に油絵具が
3 京都精華大学での共同研究「ヨーロッパヌード絵画にみる女性像」
第2章 ヌード絵画から読み解く女性像
1 ルネッサンス期の女性の描かれ方
2 魔女として描かれる女性たち
3 聖母マリア像
4 19世紀を中心とする近代のヌード絵画
5 女の身体の破壊と20世紀のヌ―ド絵画
第3章 フェミニズムがアートを変える
1 アメリカのフェミニズム・アート運動
2 日本のフェミニズム・アート運動
3 表現する女性たち
第4章 女性の「ベール」の文化史 
1 タリバン復権―アフガンの女性たち
2 イスラム教とキリスト教の「ベール」
3 「隠す」と「あばく」
4  男女平等とベール

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