マドリッドの喪章  テロの勝利か?それとも民主主義の勝利!

      2014/10/23

2004_may

セマナ・サンタ(4月4日~11日聖週間)の土曜日の夕暮れ、マドリッドの国鉄アトーチャ駅へきた。3月11日の列車テロの現場である。1ヶ月を経た駅舎の壁面には、追悼の喪章がぎっしり張ってあり、床は赤いろうそくが一杯だった。そしてまた、ここは3月14日の社会労働党政権誕生のスタート地点にもなった。

テロの翌日は喪章をつけた人でどこの通りも一杯になった。その時点ではまだ「ETA(エタ:国内テロ組織)反対!」を叫んでいた。夜7時のデモには、大雨でずぶぬれのアスナール首相も皇太子もいた。やがて警察が犯人を「アルカイダ過激派」と断定するや、次第にデモの様相は変化していった。政府が国内テロ組織の仕業だとして選挙戦を有利にしようとしたとみられ、やがて反政府のデモへ変わっていった。イラクへ派兵した現政権への批判と重なり、14日の選挙結果となって現れた。15分の黙祷の後に「国民は変革を求めていた。社会労働党の勝利はスペイン民主主義の勝利である」と勝利宣言をした。

これはテロの勝利だろうか? それとも民主主義の勝利であろうか? それにしても日本という国は、なぜこうも動かないのか? この日マドリッドでは、日本人3名のイラクでの拘束シーンが日本のテレビよりもリアルに映像化されていた。韓国でも4月15日に総選挙を控えている。今回は世代交代や女性の進出が大きく進む可能性があると報じている。(4月14日記)

 - 海外事情

  関連記事

ハムシーン(砂嵐)と大雨のカイロ

カイロ、アレクサンドリア、ルクソールを歩きました。エジプトは砂漠の国。特に4月は …

From ロンドン No.1

パディントンベア 4月1日からロンドンを訪ねました。 滞在7年目の大学生堂山優子 …

友、上海より来たる

10年ぶりでした。第4回国連女性会議(北京会議)でワークショップを一緒にコーディ …

From ロンドン No.2

イギリスのコミュニティカレッジ イギリスのコミュニティカレッジの最大の目標は「職 …

ナワル・サダウィは健在!イスラム教は女性を抑圧する

エジプトはアラブの春の成功事例だと思われていましたが、今、混乱の収束は糸口が見え …

北欧の空は真っ青でした先進国北欧諸国その1─スウェーデン編

インフルエンザなどすっかり忘れて、フィンランド(ヘルシンキ)、スウェーデン(スト …

総理大臣が産休!

ニュージーランド、37歳のアーダーン首相2人目を出産 https://www.a …

ミモザとローマのプリマヴェーラ(春)

イタリアの春は、最初に花をつける黄色いミモザの花束とともにやってくる。3月8日の …

スーチーさんの時代がきた

アウンサンスーチーさんがいつも髪に差している鮮やかな花の髪飾りは、再会することな …

Tシャツのウクライナ大統領「ゼレンスキー」

2022年2月24日からプーチンのロシアによるウクライナへの軍事侵略が始まりまし …