アウンサンスーチーさん アジア女性のソフトパワーで活力を

      2014/10/23

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今アジアの女性で最も注目を浴びているのは、ミャンマー(ビルマ)のアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)さんです。スーチーさんは、通算15年間の軍による自宅軟禁から2010年11月13日釈放されました。その間、海外にいる子どもにも、夫の死に目にも会えないという苦難を強いられました。24年ぶりに国会議員として、ミャンマーの民主化運動指導者として帰り咲いたのです。1991年にはノーベル平和賞を受賞しましたが、授賞式に参加できませんでした。そして2012年6月17日オスロの会場で改めて、スーチーさんはノーベル平和賞受賞記念講演を行いました。「ミャンマーは今驚くほどの急激な変化をとげていますが、ここで楽観主義に陥ってはならないのです。われわれの究極の目的は誰もが自由で平和に暮らせる世界を作り上げること。安心して眠りに就き幸せに目覚めを迎えられる世界をつくるために手を携えましょう」と結んだときには、参加者からスタンディングオベイションが5分以上続いたそうです。

1995年の国際女性会議北京大会の会場で、私はアウンサンスーチーさんのビデオメッセージをみました。「私は皆様の所へ行けないのです。このビデオレターを届けるのも大変でした」と話が始まり、「寛容と安全はコインの裏表です。.私たちをつなぐ共通の希望は、 私たち自身の手足から、 偏見と不寛容の足枷(あしかせ)が離れたとき、 私たちは、 地球上のどこにおいても人類の発展を妨げるものを明らかにし、 それを取りのぞくためにともに努力することができるのです」と話されました。とても感動的でした。この会場にヒラリー・クリントンもいたのです。当時のビデオ講演を「女性と仕事ジャーナル」第3号から紹介します(NGOフォーラムスーチさんの基調講演)。

アウンサンスーチーさんのタイでの講演ではミャンマーは政治の民主化だけでなく、経済改革も必要性だと訴えました。ミャンマーの若年層の失業率が高いことに危機感を示し、雇用創出に向けたミャンマーへの投資を呼びかけました。女性の地位向上ディスカッションにも参加し、政治面で「女性が重要な役割を果たすこと」を強調し、女性の政界進出を促しました。スーチーさんはいつも髪に花飾りをしています。これは一見、ソフトな女性に見えますが、スーチーさん自身は、大きな「決断」を表しているとのこと。女性の持つソフトパワーを活かして、男性リーダーがよく使う「ハードパワー」ではなく、「ソフトパワー」を使いこなしているようです。

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ミャンマーは石油など天然資源の豊富な国ですが、長年のアメリカを中心とする経済制裁を受け最後の未開発市場として取り残されていました。列をなしてビジネスチャンスをうかがっていたアメリカ企業に解放されることになりましたが、スーチーさんのいう雇用創出に向けた投資や安心して暮らせる民主化や人権の保障は、これで充分実効されるのでしょうか。

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