「ニューヨークタイムズ New York Times」から
2014/11/20
They call me Doctor Berry 私を「ベリー教授」と呼んで
英語のクラスに参加しています。「Cultural Differences」というテーマでNYTimesを読むことが多いのです。その中で女性問題を扱った記事が多く出てきます。これからその教材に私自身の感想を入れて、お届けします。
第1回は、アメリカ、インディアナ州にあるローズ・ハルマン工科大学、電気・コンピュータ工学の准教授Carlotta A. Berry(カルロッタ・ベリー)博士が「アフリカ系アメリカ人女性研究者」として白人・男性社会の中で格闘している様子を紹介します。
ローズ・ハルマン工科大学は1874年創立。女子学生に高度な科学技術教育を提供しようと設立された私立大学で、長い間、女子大だったのですが、現在は共学。大学入学難易度では最高の5レベルに位置しています。学生の男女比は男性80%、女性が20%です。白人が80%で、その他ヒスパニック、黒人、アジア人などがいます。中国からの留学生が最も多いとか。

Doctor CarlttaA.Berryさん
画像「Rose-Hulman Dr. Carlotta A. Berry(http://www.rose-hulman.edu/~berry123/)」
カルロッタ・ベリー(Carlotta A. Berry)さんは言います。私は専門家の中で自己紹介をするときは、「私はBerry博士です」とファミリーネームと博士号を意識的につけて自己紹介します。ところが一部ではこういう言い方は生意気だと思われがちです。男性の白人の場合ではこの言い方は普通なのですが、女性の場合には、「Ms.」をつけて言われたり、ファーストネームで呼ばれたりします。学生なども、放っておけば、ごく自然に私に「Ms.」で呼びます。しかしこれは専門家では許されないことです。マナー違反です。しかしこれは、アフリカ系アメリカ人の女性の専門家があまりにも少ないことに起因します。知らず知らずのうちに、女性は男性より低いレベルの資格や知識しかないのだろうと判断しがちなのです。これは許されないことです。私たち女性研究者の中ではよくよく話題になっていることなのです。私は20年前アフリカ系アメリカ人の女性専門家があまりにも少ないので、私自身が教授になろうと決意したのです。いつの日か「ベリー教授」とよぶことがごく普通になってほしいので、私は言い続けます。
皆さんはいかがでしょうか。日本では、女性は結婚で、姓が変わってしまうことが多いし、専門家でさえ、女性は「ちゃん」付けで呼ばれたりすることが多いですよね。
関連記事
-
-
インド紀行 その4 ~インドの働く女性
English インドの女性労働者数 インドでは未だ女性労働者数を正確に算出され …
-
-
アジアにまたひとり、女性の政治リーダー登場
台湾総統に蔡英文氏が女性初 2016年1月16日、台湾総統選挙の開票が行われ、独 …
-
-
インド紀行 その3 ~インドの女性とジェンダー
インドの人口問題 インドへ旅行するには、ビザ申請センターでビザ(査証)の申請が必 …
-
-
コロナ禍のリーダーシップ (その2 フェミニン・リーダーシップ)
変革の時代に必要なリーダーシップ コロナの時代にリーダーの質が問われています。日 …
-
-
ソウルであった女性たち その2 ~アフガニスタンの女性 ほか
「ソウルであった女性たち その1」の続き 目次 カナディアンインディアンの女性 …
-
-
マドリッドの喪章 テロの勝利か?それとも民主主義の勝利!
セマナ・サンタ(4月4日~11日聖週間)の土曜日の夕暮れ、マドリッドの国鉄アトー …
-
-
ソウルであった女性たち その3 ~インドの女性
「ソウルであった女性たち その2」の続き 目次 カナディアンインディアンの女性 …
-
-
アメリカ報告 第5弾 NPO「E R A」紹介 コロナ後にはNPOのさらなる活躍を!
アメリカはNPO先進国、NPOでの女性の活躍を アメリカは、NPO先進国。建国以 …
-
-
New York
久しぶりのニューヨーク。街(ハーレムも)は本当に清潔になっていて危険な臭いが全く …
-
-
関西大学社会学部教授の石元清英氏のアメリカ便り
金谷千慧子様 3月31日に帰国します。 日本の話題に関してアメリカ側の反響を少し …