はじめに(その2)─NPOで生きる女性たち
ドラッガーの遺言
膨大な著作には「ドラッガーの遺言」というタイトルの本もありますが、わたしがP.Fドラッカーの遺言として心にとめているのは、『ネクスト・ソサエティ』(上田 惇生訳ダイヤモンド社)の結びで、「ネクスト社会は、社会セクター、すなわち非営利であり非営利であるNPOだけが、21世紀において、新たに都市社会にコミュニティをもたらす」というフレーズです。
またそのためには、「女性の活躍がカギ」であり、そこでは「女性が史上初めて、男女平等に知識労働を担える」といっています。もちろんアメリカと日本のNPOの歴史も規模も社会的位置づけも違っていますが、いまに有意義な役割を果たせると確信して、わたしもまっすぐNPO女性と仕事研究所の活動に24時間、365日といってもおおげさではなく、没頭していました。「キャリアアドバイザー」を養成講座、企業評価、調査などなど。
東京の事務所(港区六本木NPOハウス)を退去し、大阪だけになったのは、2007年でした。30団体のNPOが一つ屋根の下(三河台中学校跡)で情報交換しながら活動するメリットを十分感じました。しかしNPOと行政・自治体との連携はとても難しいことを秘めています。
ともすると自治体の下請け機関に追い込まれがちになったり、場所を提供してもらっても、出ていけと言われれば、なすすべがなかったりという結果になります。
事務所が不安定だと運営も極めて不安定になります。第1セクター(自治体)、第2セクター(企業)と第3セクターのNPO(若輩かもしれないけれど)が、独立して運営していけるには事業体として「稼ぐ力」を持つことが重要だということもひしひしと感じた次第です。
次ははじめにのその3を書きます。お楽しみに
関連記事
-
コロナ禍のリーダーシップ (その3 フェミニン・リーダーシップ)
日本を根本的に変える好機としよう! 安倍政権の自壊はコロナ対策の失敗 コロナウイ …
-
アメリカ報告 第5弾 NPO「E R A」紹介 コロナ後にはNPOのさらなる活躍を!
アメリカはNPO先進国、NPOでの女性の活躍を アメリカは、NPO先進国。建国以 …
-
ソウルであった女性たち その3 ~インドの女性
「ソウルであった女性たち その2」の続き 目次 カナディアンインディアンの女性 …
-
コロナ禍のリーダーシップ (その4 フェミニン・リーダーシップ)
女性リーダーの国は「幸福度」ランキング上位 世界幸福度ランキングとは 世界 …
-
「新しい公共」に春風は吹くか
春風は、行方を定めず気ままですね。 きのうの夕刻からまたびっくりするほど寒くなり …
-
女性と仕事研究所のプロジェクト提案
女性と仕事研究所理事 柏木 宏 プロジェクトの目的・趣旨 プロジェクトを通じて …
-
ソウルであった女性たち その1 ~カナディアンインディアンの女性 ほか
2014年9月、韓国のソウルで開催されたフォーラム(International …
-
NPO法人女性と仕事研究所からのお願いと提案
第7回キャリアアドバイザーのつどい(2011年9月17日)にて 変革の時期をむか …
-
2024年秋、日本の政治と企業は変わるのか(その2) NPO活動を振り返る
NPO女性と仕事研究所がCSR(Corporate Social Respons …
-
迎春 新年おめでとうございます
また長らく書けずに過ごしておりましたが、お正月は「やっぱりがんばろう」と思うきっ …
- PREV
- NPOという言葉も知らなかったころのこと─NPOで生きる女性たち
- NEXT
- 仲間で展覧会を開催します