2015年テロへの不安にSOFT POWER(ソフトパワー)こそ女性のリーダーシップが“カギ”

   

恒例の今年の漢字は「安」だった。第2位は「爆」第3位は「戦」だという。
その背景として安保関連法案=戦争法案が成立した形なってしまったことと、IS(Islamic State)のテロ事件の多発で不安材料が増えたことからだという。この不安は2016年にはますます広がるのではないだろうか。

13年前、アメリカのブッシュ政権はイラクへ戦争を仕掛けた。フセイン政権が大量破壊兵器を保有しているとして、国連の決議もなしに先走った。
日本もいち早く後方支援国として参加したこの戦争は、大量破壊兵器を見つけられなかっただけでなく、50万余の死者を出し、今日のイラクの混乱と憎しみを生み出した。現在のISの勢力もイラク・シリア中心に広がっている。

武力(FORCE)によって拡大したテロリズムに武力が解決できるのだろうか。日本はすぐさま、テロの恐怖から次々と自衛隊を地球上のどこへでも派遣するのだろうか。これでは暴力が増殖するのみで消滅しない。1101年から300年間にわたって暴力がはびこった十字軍(キリスト教、主にカトリック教会の諸国が、聖地エルサレムをイスラム教諸国から奪還し、イスラム教徒を壊滅することを目的に派遣した遠征軍)さながらの暴力連鎖が世界中に広がる可能性もある。

武力ではなくSoft Power(ソフトパワー)を

そこで、武力ではなく、女性のリーダーがよく使うSoft Power(ソフトパワー)こそ出番だということを強調したいのである。Soft Power(ソフトパワー)は武力(Force)で戦うのではなく、「もっとよく話合おう」と粘り強く交渉しつける柔軟な、クリエイティブなパワーである。『ソフト・パワー』の著者でハーバード大学ケネディ行政大学院教授、ジョセフ・ナイ・ジュニア(Joseph Nye Jr)は「政治の世界での成功とは、「ソフト・パワーを使えることだ」といっている。女性のリーダーがよく使っているのがソフト・パワーである。スマート・パワーともいわれる。
『柔軟』『クリエイティブ』『あきらめない』『フィーリングを重視する』などの特徴がある。

女性よ、もっと、もっと政治の世界へでよう

女性が、もっと政治の分野でリーダーシップを発揮できれば、現在のリーダー像が変わる!武力によらない政治が可能になる!

地球を戦争に導く武力(FORCE)を使わず、ヴィジョン、アイデア、目標、展望を持って、勇気と信頼と思いやりによってソフト・パワー(スマート・パワー)を使いこなせる女性政治家が早く増えてほしい。
2015年11月19日世界経済フォーラム(WEF)が発表した世界男女平等ランキングによると、日本は135か国中101位。女性の社会進出102位、教育/学歴81位、健康34位、政治参加110位と並外れて政治分野は遅れている。G7でも最下位である。

2016年が少しでもいい年になるように、武力を使わせないように、女性は自分に自信を持って自分の前に開かれている道を踏み固めて行こう。

 - 女性と政治, 女性の活躍, 海外事情

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