フィンランド、「その世界一」ラッシュ
2014/10/23
もうすぐ北欧ツアーです。とくにフィンランドははじめてなので 楽しみです。少し前、東京でフィンランド大統領タリヤ・ハロネン(2000年~)の夫氏とシンポジウムでご一緒だったこともあり、いつかきっとと心に決めていました。フィンランドをはじめ北欧5カ国(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランド)は、男女平等指数では、いつも最高位です。
男女平等世界一
2008年度の国連開発計画(UNDP)発表のジェンダー・エンパワーメント指数(GEM:政治および経済活動への女性の参画を示す指数で、国会議員、管理職国会議員、管理職、専門職・技術職に占める女性の割合および男女の推定所得格差を用いて算出)の順位は、第1位がスウェーデン、続いてノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランドの第5位まで続いています。日本は、108カ国中58位です。昨年2007年は54位で例年ずり落ちていっているのが現状です。いかに日本の場合、政治経済活動や意思決定の場に女性が参加できていないかを示すものです。近年フィンランドは「世界一」が増えています。1906年ヨーロッパで最初に女性参政権を確保した国(ニュージーランド1893年)ですが、国会に女性議員を送った国としては1907年で世界で第一位です。
学力世界一
近年「フィンランドは子どもたちの学力世界一」の報道に話題が沸騰しています。 日本は今、子どもにどうして生きる力をつけるのか大人たちが迷いに迷っている 時代だからです。子どもたちに競争させるのではなく、考える力をつける教育が 学力世界一の秘訣だといわれています。フィンランドの教育の成功の裏には 「3つの秘訣」があります。
①教師のレベルが高い!原則、修士号を取得している。
②落ちこぼれを作らない! 少人数授業と補習制度
③大人も子どもも読書好き! 読み書き計算は当たり前
ということです。
1クラスあたりの生徒の数がとても少なく、日本の半分くらいの人数です。 さらに国語と数学については、勉強が遅れがちな子どもを数名のグループに 分けて、特別な補助授業を行っています。こうすることで、授業についていけ ない子をなくすのです。またフィンランドの人の読書好きは「図書館利用率が 世界一」といわれるほどで、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)2000年のでも 1日あたりの読書量はトップレベルにあります。
携帯電話の普及率が世界一
携帯電話の普及率が世界一で、大半の人はフィンランドのNOKIAを使っているそうです。NOKIAの携帯はカバーが付け替えられムーミンのカバーが人気だそうです。
コーヒー消費量世界一
フィンランドの世界一に「コーヒーの消費量」というのもあります。フィンランド 人にとってのコーヒーというのは携帯電話と同じようにコミュニケーション・ツール なのでしょう。
GDP(国内総生産)成長率が世界一
さらにフィンランドは人口一人あたりのGDP(Gross Domestic Product一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額でGDPの伸び率が経済成長率に値する)は、 他の北欧諸国とともに世界一です。そして次にご紹介するのは、政治に汚職の ないことも世界一です。
政治に汚職のないこと世界一
フィンランドは世界で最も汚職の少ない国です。税金は高いがそれだけの恩恵を 受けているということを国民は充分知っているので、不平不満はいわないし、 全ての人が無料で教育を受けることができます。福祉制度も充実し、老後も心配 なく生活ができる国です。政治が汚職と関係ない世界で政治が信頼の中心になっているのです。
環境、水のきれいなこと世界一
政治が環境や水の美しさを守っています。環境ではすべての国民は公私有地を 問わず森の中に入って自然に親しむ権利があり、同時に自然を守る義務があると されています。2002年度世界経済フォーラムの環境維持可能指数で142カ国中 トップにランク。2003年度国連世界水開発レポートでは世界一水がきれいと評価 されました。
NPO世界一
フィンランドでは、市民の5分の4がNPOに参加しており、複数のNPOに所属している 人も多いそうです。増加傾向は過去10年間ますます大きくなっており、社会の進歩 をめざす人々のグループは協会組織を結成し、断酒運動、労働運動、青少年運動、 協同組合運動など、様々な目標の実現をめざす活動を当然のことと考え、自分たちの アイデンティティとして活動しています。最近ではこのような主張を持ち登録された NPO活動の他にスポーツクラブやオートバイクラブやリクレーション活動など新しい 登録されていないNPO活動もめざましい勢いでふえているということです。 この「NPO世界一」というのは、今読んでいるイルッカ・タイバレ編著/山田真知子訳 「フィンランドを世界一に導いた100の社会改革―フィンランドのソーシャル・イノベーション」という本の中のタイトルの一つです。
【他の参考図書 】
- “Women in Finland” 1999 otava publishing co. ltd.helsink
- ” Politics of Gender ~a century of women’s suffrage in Finland”2006 otava publishing co. ltd.helsink
- フィンランドの女性労働―2005年度先進国派遣調査報告書 2006 女性と仕事の未来館
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