中欧の旅 ⑤ ドナウの真珠─クルーズ
2014/10/23
ハンガリー人の黒髪、黒い瞳は欧州で唯一のアジア系民族(マジャール人)を表しています。日本人などと共通で赤ん坊に蒙古斑があるということです。ハンガリーはヨーロッパのほぼ中央、ドナウ川中流に盆地状に開けた平原ですが、繰り返しヨーロッパに侵入したアジア系遊牧民やスラブ人などの周辺民族やオーストリア・オスマン帝国などの周辺諸国の影響を受けてきました。そして、異民族との攻防には、波乱に富んだ圧政と反抗の歴史が刻まれています。首都ブタベストは、「ドナウの真珠」と呼ばれ、ドナウをはさんで、西が歴史の街「ブダ」(畑)、東が近代的な商業地区「べスト」(かまど)をつないだのが鎖橋(くさりばし)です。続いて皇女マルガリーテで有名なマルガリーテ橋があります。ブタベストは、ユネスコの世界遺産にも指定され、世界で最も美しい首都の一つといわれています。ローマ時代の遺跡、ロマネスク様式の教会、古城が、数多く全国に残されています。
社会主義圏にあっては、いち早く民主化を進め、東欧革命の芽を蒔きました。以前(2006年)訪れた時は、大学人や労働組合の人が、失業が深刻で自由主義経済をどう受け止めていけばいいのかと深刻な顔つきでした。でも今回ブタベストの街は活気にあふれ、足早に駆け回った広いショッピングモールでしたが、Sailの値札の下、夜9時までレジを待つ人の行列でした。
夜ツアーを離れてクルーズに出かけました。なかなか夜の帳が降りず、9時近くに涼しい夜風とともにドナウ川を遊覧しました。この旅で一番心癒やされた時間滞だったかもしれません。「“100万ドルの香港”とは違うなー、けど落ち着くなー、この色合いは」と隣の日本人客が言っていました。
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