中欧の旅 ⑥ 退職カップルのツアーに紛れ込んで─現在夫婦事情

      2014/10/23

今回のツアーは10組のカップルと母娘3組、家族1組、その他友人同士、一人参加7人という大所帯であった。多数派は退職後のカップルで、ヨーロッパツアーの典型的な参加状況かもしれない。何度も「お一人ですか」と聴かれるので、なぜ聴くのですかとたずねると「旅慣れていらっしゃる」とか「自信があるのですね」とか「私も一人でこれるかもしれないと思いました」とおっしゃった。「お父さん、お薬よ」「お父さん、ここで写して」などなど、指示を出しながらも、飛行機もバスも食事も買い物もすべてぴったりと寄り添ってとても和やかな光景。団塊の世代の企業からの退出で、今回は「へそくり」からでなく、お父さんの出費で、お父さん連れで参加していらっしゃるようだ。

パートで働いているお母さんも半分。お父さんは「老後は“これに”任せていますので、何の心配もありません」とか「うるさくて、うるさくて」とか「水、3本買ってこい」とか、日常生活そのままである。なにしろヨーロッパも気候変動で熱波の夏、バスに積み込まれた水は必需品。それでも一度たりともお父さんが運転手に1ユーロを持って水を求めにきたことはなかった。母娘3組の2人は仕事をしていて、「姉たちのような結婚はしたくない。親と同居で浮いたお金で海外旅行をしたい」とか「一人暮らしをしたい。でも無理」、「仕事を辞めたところです。後のことはまだ考えていません。旅行にも行けない仕事なんて」といっていた。

未婚のカップルがいた。いつもぴたっと手を握りあって、この暑さにもトイレで分かれる以外はいつも堂々の握りしめカップルだった。一人参加の男性が「僕もしてほしいわ」と半ばセクハラ発言を繰り返している。彼女は「子どもができても働き続けたい。親も姉もスタンバイしてくれているので大丈夫!」と言った。旅の終わりに旅行社(添乗員)がこのカップルに「幸せになってください」とお祝いの品を渡した。私もこのカップルに期待したいと切に思った。

近くの保養所へ行く二人(ウィーンで)

近くの保養所へ行く二人(ウィーンで)

ブタペスト郊外のガソリンスタンドで。1箱、円では半分の額

ブタペスト郊外のガソリンスタンドで。1箱、円では半分の額

 - 海外事情

  関連記事

ソウルであった女性たち その1 ~カナディアンインディアンの女性 ほか

2014年9月、韓国のソウルで開催されたフォーラム(International …

アウンサンスーチーさんが今、京都にいる

いる。かつてほぼ1年を過ごした京都大学では、研究員としてミャンマーの独立運動の歴 …

Travel Report from India (4)  Indian working women

Japanese(日本語) umbers of Indian working w …

no image
脱ポルノのセックスを─タブー視ではなくリアルを追求(ついでにもうひとつ「あえら」の記事から)

真のセックスは、ポルノ映画のようにいつも激しいわけではない。間違ったセックス観を …

こんなときだからこそ 国際女性DAY

コロナウイルスが広まる中で コロナウイルスの拡大で世界は一変してしまいました。1 …

コロナ禍のリーダーシップ (その4 フェミニン・リーダーシップ)

女性リーダーの国は「幸福度」ランキング上位    世界幸福度ランキングとは 世界 …

新年おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

この年末年始の休暇は、開店している喫茶店を探して、毎日コーヒーを2杯飲みに出る以 …

タリンの花屋さんは染色しているの?もう一度エストニアから。

 IT王国とは、もれない情報網を確立すること 旅の最後は、再びエストニア・タリン …

もっと知りたいビルマ、6月19日はスーチーさんの日

NHK国際放送局の取材を受けました。テーマは「働く女性と過労死」というブッソウな …

マドリッドの喪章  テロの勝利か?それとも民主主義の勝利!

セマナ・サンタ(4月4日~11日聖週間)の土曜日の夕暮れ、マドリッドの国鉄アトー …