フェミニズムとわたしと油絵(2013~2023)(その11)

   

恐ろしいほどの暑さで、犬の散歩が心配
今年の7月は、歴史上もっとも暑い月になると言われています。私もただただ「生き延びる」を目標に水分補給をしながら、毎日を過ごしていて、だらしないなと我ながら情けないです。私の今の困りごとは、犬の散歩です。どんどんスタート時間が遅くなっています。もうすっかり陽が暮れてからですが、それでもアスファルトはどれだけ熱いのか、何度も手で触れています。犬に靴を履かそうかと考えているのですが、嫌がるだろうなと思いながら躊躇しています。それでも帰ってきたら汗まみれです。


7月28日(金)、国連のグテレス事務総長は、もうすでに地球温暖化の時代ではなく、「地球灼熱(しゃくねつ)化の時代」に入ったと宣言しました。非常に恐ろしい時代に突入したと警告し、気候変動への抜本的な対策を早急に講じるよう訴えました。しかもこれは始まりにすぎないといいます。科学者が予測し、繰り返し警告してきたことですが、「唯一驚くべき点は変化の速さだ」と指摘しています。
対策として、まずは「二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を大幅に減少させること」といいます。化石燃料はそのまま地中に残すこと。化石燃料を燃やすと、二酸化炭素が大気の中に放出され気温が上昇します。メタンガスも温室効果ガスのひとつですが、二酸化炭素の20倍以上の気温上昇になるということです。メタンガスの排出を防ぐことも必須です。これらに最大の配慮をしても、酷暑や熱波、大規模な自然破壊や自然災害、地表の砂漠化、海面の上昇、生態系の破壊、貧困の拡大など様々な悪影響が地球と地球上の生き物にたらされるのです。

競争社会をやめなければ、地球が壊れる
この地球の灼熱は「人間の欲」が生み出したといわれるように、競争社会を是とする資本主義経済システムをやめない限り、危機はますます深刻になると思います。その典型例が武器を生産して人間を殺すという戦争(侵略)です。戦争は最も競争社会で効率のよい儲け方です。資本主義経済を否定したはずのロシアが、それを今なお戦争(侵略)をやり続けています。2021年2月24日から2年半になります。ほんとに、これほどバカげたことがあるでしょうか。弾薬より安価な「いのち」なんてないはずです。
ばかげた独裁者は国民の心は読まない(読めない)ものですし、独裁者はここまで抵抗がつよく、戦争が長引くという計算もできないのです。独裁者は情報さえも得られません。
少し飛躍しますが、競争経済の社会では、女性は男性に比べて、労働力として効率的ではないという計算方式をとります。女性のみならず、障碍者もそうです。出産や子育てや家庭生活は経済効率からみれば、冗費、無駄な時間にすぎません。

競争社会では効率を最重視し、競争の頂点に立てる富裕層に、儲け(富)を集中させてきました。一部の富裕層と99%の競争にさらされる人々の構造です。競争的資本主義社会では、女性は競争の敗北者にされて底辺に閉じ込められてきました。

敗北者を切り捨て、競争をモットーとし、競争が幸せを生むというテーゼのもとに、いつも、いつも、見切り発車を続けてきたのが現在です。その結果として地球の灼熱が起こっているのです。地球が壊れるほどに効率を重視し、地球が沸騰するほどに、儲けることにエネルギーを費やしてきた結果です。でも競争社会を修正して、競争社会を超えて、新しい社会にたどりつかねばなりません。そのために、政治の担い手の交代、統治方法を変更することが必須です。経済成長、効率主義、競争主義からの脱却が地球で人間が住み続けるために何よりも必要なことで、急がれることです。(参考:斎藤幸平著『人新世の「資本論」』新集英新書)

「フェミニズとわたしと油絵」の再校を終えました
10月15日からの絵画展でご参加いただいた方に読んでいただきたいと思っています「フェミニズムとわたしと油絵」の再校が終わりました。もう一回、第3校があります。
暑いけど毎日、頑張っています。出版社との間でもうすぐ正式なタイトルが決まりそうです。『フェミニズムとわたしと油絵――「描かれる女性」から「表現する女性」へ』で決まりそうです。とてもいいタイトルだと思っています。楽しみです。ご期待くださいね。

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