フェミニズムとわたしと油絵(2013~2023)(その12)
1 書籍完成!
かねてより注力していました『フェミニズムとわたしと油絵―「描かれる女性」から「表現する女性へ」』(明石書店)が新刊書としてもうすぐ世に出ます。編集・チェックの第三校が終わり、第4回目は念校といって修正箇所が少なくなったので、稔のためにもう一度校正するという段階にきました。そして「校了」(もう全部校正し終えて問題ないので、これで印刷にまわす段階)という言葉がでてくるとほんとにホットするのです。新刊書には10月15日(日)~19日(木)に実施する個展の作品(70点)の写真集も同時に付録としてつきます。これは部数が少ないのですが、展覧会にご参加いただいた方には、無料でお渡しできます。お土産にこの新刊書もお渡ししたいと思っています。
表紙の図案も完成しました。このときが一番、期待感が高まりワクワクするときです。せっかくですので、各位に告知もお願いしたいと思って、案内書を作成しました。添付いたします。PDFで開きます。
日本でもようやくフェミニズム・アートの波が大きくなりつつあります
日本でもようやくフェミニズム・アートの波が大きくなろうとしています。30年余にわたるNPOの仕事(女性と仕事研究所)も女性学の教員もリタイアし、油絵を再開して10年経ちました。描き手となった私が、ずっと感じてきた「視られる女性」についての違和感をなんとか突き止めたいと思って、本書に立ち向かいました。
絵画教室でヌードモデルを描くことに、身の置き所がないような気分の悪さを感じていました。私はいつも別のイーゼルを2・3枚立てて花の絵などを描きまくっていました。講評が終わるとすぐさま着衣に描き替えていました。これって何なんだろうとムズムズしていました。
絵画の世界も、まだまだ女性はモデル(ヌード)として描かれる立場、美の対象、鑑賞の対象になる場面が多いのです。
女の裸が美しいから、ヌードを描きたいなんていうのは「ウソ」でしょ?美しいものを描くのが「美術」っていうのも、「ホント」かしら?私は自分が表現する人間として、伝えたいことを「油絵の具」を使って描きたい!
表現する女性であろうとすれば
表現する女性であろうとすれば、従来の美術の男性中心主義を根本から変えなければならないというのもわかってきました。表現する女性であろうとすれば、受動的な視られる立場はなく、主体的に、なぜ描くのか、何を描くのかも明確にする必要があります。絵画を従来のように男性のための趣味やお楽しみの対象ではなく、みんなのものに取り戻す必要があります。フェミニズムは「性差別をなくし、搾取や抑圧をなくし、自由と多様性を求める運動」です。フェミニズムをもとに行動することで、アートの世界も自由と多様性の社会に近づきます。自由と多様性の社会では女性も表現者として個性を生きることが可能になります。一人ひとりがフェミニズムを実現する当事者として、性ではなく、個人として尊重されて生きる社会をつくりあげたいものです。フェミニズムをみんなのものにしよう!と、今もなお「フェミニズム・アクティビスト」を自称する私は叫びます。
変革の時代、変革を継続する力をもとう。表現する女性として、性差別をなくし、自由と多様性の社会をつくろう。フェミニズムをみんなのものにしよう!そんな思いで書いた1冊です。
2 お誘い
私が尊敬しています柏木宏先生(法政大学教授:日米のNPOマネジメント、運営や調査などを研究)がご推薦の吉浜恵美子さんの講演会へのお誘いです。吉浜恵美子さんは社会福祉学博士で米国ミシガン大学社会福祉学大学院教授です。この度は認定NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべの主催です。共催は公益財団法人神戸学生青年センター、後援が米日財団、 NPO法人男女平等参画推進みなと(GEM)で、全国5か所の会場で実施されます。ぜひお運びいただきたいのです。よろしくお願いいたします。
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