今月のもう1枚―「赤いトミー」

   

またたく間に暑い季節がやってきました
6月のさなかと言えば、「むし暑いけどちょっと薄ら寒い日々、色とりどり紫陽花の脇を雨傘の子どもたちが通り過ぎる昼下がり」いうようなイメージが以前にはありましたが、今はなんの、なんの、今日も昨日に続いて35.2度のカンカン照りの猛暑です。ところが梅雨入りはまだ(今日入ったのかな)。変な季節感です。
犬(トミー)の散歩時間を考え込んでいます。だって、より地面に近いところを素足で歩く、汗をかけない小型の犬には、散歩はきっと大変な労苦ですから。今年こそ小さな靴を履かせようと考えていますが、うまくいくかしら。
経済優先主義、性差別と戦争を肯定する歴史の果てに、今地球が破壊されて、砂漠化し燃えさかっています。本当に、生きとし生きるものすべての「いのち」の危機です。

赤いトミー(F20号)


ばら
地球破壊は最大の人権問題
欧州人権裁判所(ECHR)は、スイスの気候変動対策が不十分だとスイス市民が国を訴えた裁判で、市民の主張を認める判決を出しました。排出削減目標を達成するためのスイスの努力は、極めて不十分だと結論付けました。ECHRが地球温暖化に判決を下したのは初めてですが、地球破壊の危機は広がり、地球規模で連携すべき急務の課題になっています。「戦争・テロ」とか言いつつ、殺害行為に明け暮れている時ではないはずです。連携にスピードアップを図らねばなりません。地球破壊は最大の人権問題なのです。日本は果たしてどうなのでしょうか。

子育て対策を充実させたところで女性の出産ストライキはまだまだ続く!
今年も世界経済フォーラム(WEF)は6月11日、男女平等がどれだけ実現されているかを数値化・ランク付けした「ジェンダーギャップ指数2024」を発表しました。ジェンダーギャップ指数は「経済」「教育」「医療」「政治」の4分野14項目で、女性と男性の格差を数値化した指標です。日本は146カ国中、4項目全体で118位、2023年の125位から若干ランクを上げたものの、主要7カ国(G7)の中では最下位で、東アジア・太平洋地域でも18カ国中17位です。情けない実態です。この状態に、「女性は可哀そうな存在だ」なんて、自分事ではないと気にしない男性がまだいるとしたら、この女性差別の状態が、日本沈没、日本の存在感の低下を引き起こしていることに気づかないままに、日本は内部崩壊の道をたどることでしょう。外部の武力なくしても滅亡することになるのでしょう。私はそう思います。ともに女性の差別を一刻も早くなくすべきなのです。
女性の願いは、子どもを産む機械として支援をしてもらうことではありません。女性たちは、教育でも(高等教育は一層)、労働分野でも賃金や生きがいの平等を求めています。その元凶が政治の性差別にあるということを理解していますから、いくら子育て対策を充実させると声高に叫んでも、女性の出産ストライキはとどまることはないのです。日本の瓦解に手遅れにならない間に早く、スピード感をもって(異次元の少子化対策とおっしゃっていましたが?)、全員で方向転換しなければなりません。残された時間はそんなにないはずです。
4つの分野では、経済:0.568(120位)、教育:0.993(72位)、医療:0.973(58位)、政治:0.118(113位)です。なかでも、管理職における格差は0.171(130位)で、6人中5人が男性であることを示しています。推定所得も0.583と、女性の平均所得が男性より41.7%低いことが指摘されています。この総合が政治における女性の地位の低さです。女性の出産ストライキ・非婚化がまだまだ続くことも意味します。地方都市の若年女性は、「東京の方が未だましかしら」と思って転出します。それでもどうにもならないとわかると日本脱出を図ります。日本の人口がこれからますます急ピッチで減少していきます。しかし減少してもいいかもしれません。一人一人の生活満足感や能力アップが向上すれば、少ない人口でも豊かな国になるかもしれません。それにも対策が必須です。手遅れの時期が近づいています。残された時間はそんなにないはずです。

企業からの提案―書籍紹介
株式会社wiwiw(ウイウイ)著「企業で働く20人の女性リーダー~自分らしい最高のキャリアのつくり方」
本書は、経団連出版(経団連事業サービス)から出された新刊書で、女性がキャリアを描きづらいという現状に対し、様々な逆境を乗り越え,活動しているロールモデルを提示することで、女性の活躍を促進し、女性を元気に、企業を元気に、そして社会が元気なるように、という思いを込めて企画されています。この趣旨に賛同した20社20人の女性リーダーへのインタビュによるライフキャリアストリーは、読者の女性たちに大きなヒントと勇気と自信を与えることでしょうし、また日本企業の女性リーダー育成・女性の登用にも必ず、役立つことでしょう。女性がキャリアを切り開くのに必要な共通項を導き出し、各社の「D&I(Diversity and Inclusion)」(注:多様な人材が力を発揮できる職場づくり)の取組みを掲載しました。これらを参考にすることで、経営者や人事の育成や登用のヒントになることでしょう。ぜひご一読ください。お勧めです。


株式会社wiwiw(ウイウイ)著 経団連出版2024年1月刊
「企業で働く20人の女性リーダー~自分らしい最高のキャリアのつくり方」経団
P194  定価1850円+税

 - ブログ

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

ブログ復活!

International Women’s Day は、日本では少し下火になって …

『ヴァラドンとユトリロ 母と子の物語』展

シュザンヌ・ヴァラドン(1865~1938)と息子モーリス・ユトリロ(1883~ …

Tシャツのウクライナ大統領「ゼレンスキー」

2022年2月24日からプーチンのロシアによるウクライナへの軍事侵略が始まりまし …

むらさき大根―ようやく色褪めぬ

いまどきの膝小僧手術のつづきです 膝小僧手術の方が案外、時間がかかるのだそうです …

no image
みなさまへ 2006年の年末に寄せて

女性と仕事研究所、自慢のセミナー「キャリアアドバイザー養成講座」は、次年度ぐらい …

森喜朗(83歳)氏の女性差別発言から1か月半、何が変わったか

「わきまえておられる」に立ち向かおう 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長 …

今年の風、どこへ向かってー2021年の重大ニュースより

2022年が明けて10日経ちました。コロナウイルスはさらに変異を遂げて拡大中です …

プーチンはロシアの自壊と世界を破滅に向かわせている

プーチン大統領は2022年2月24日にウクライナ侵攻作戦を発動、ロシア軍が対ウク …

6月の1枚― より本質的なものを色彩で表現したい!

入選しました。第77回 女流画家協会展(2024年度) Women’s Marc …

リトアニア、約4,000の湖がある「森と湖の国」

バルト3国は、1991年に各国とも独立を果たし欧州連合(EU)へ加盟しています。 …