地熱発電こそ普及したい! 原発より強かった 東北地方の地熱発電所

      2014/10/04

3年前最初に宿泊したウイーンのホテルのすぐ近くに地熱発電所がありました。温泉があって保養地になっていました。しかし隣り合わせの地熱発電所は、美しくない建物であまりにも不似合いだったので、「あの無粋な音のする建物は何ですか」と聞いたものでした。それが地熱発電所を知った最初でした。

今回のメッセージはほとんどインターネット情報なのですが、私も同じ気持ちを込めてかなりの転載をさせて頂きます。「原発からの脱却」が1日でも早く世論になってほしいと思うからです。

日本は、原初エネルギーから他の自然エネルギーへ変換出来るのか。原発以外のどんなエネルギーの選択が可能か。それは地熱発電です。明るいニュースです。

国民の72%が「原発削減が望ましい」と回答しています。(枝廣淳子主宰「幸せ経済社会研究所」(東京・世田谷)4月13日までに「日本の今後のエネルギーに関する国民の意識調査」(出典オルタナ編集委員=石井孝明4月13日)

1. 日本で地熱発電ができるためには

1)原子力第1の政策を変更すること
2)政府の規制緩和がまず重要です。
東北エリアに「東京電力」以外の新しいベンチャーを参入させることが必要です。「電力ベンチャー参入」のスキームを創ることです。
「東電」と政府の堅い連携をはずさねばならないのです。

2. 地熱発電の優れているところ

1)石油燃料に頼らなくてもいい
2)日本は地熱が豊富
(日本はアメリカ、インドネシアに次いで世界第3位、火山が多い)
 日本では8メートル掘れば地熱発電は可能だそうです。
3)日本には地熱発電の50年にわたる技術がある

東芝がニュージーランドに世界最大の出力量(2010年ロトカワ地区に1基としては140MWと世界最大出力)の地熱発電プラント(ナ・アワ・プルア地熱発電所)を納入しました。インドネシアやアイスランドにおいても、日本企業の受注が相次いでいます。。世界にある地熱発電所のタービンの半数は、日本企業の製品です。特にアイスランドでは、三菱重工業が全面的に地熱発電事業を請け負っています。 しかし、日本国内では地熱発電所の建設用地をめぐる規制や地域住民の反対などが予想されることから、企業はひたすら海外での地熱発電所の受注競争に専念してます。これは政府主導の政策で成功した例ではなく、民間企業による成功例です。

日本で地熱発電所が造られた1966年から1999年まで全国で18カ所のみです。発電容量は約53万5千キロワットにすぎません。

4)CO2の排出量が原子力発電を少ない(約6割)
5)原油が高騰しても耐えられる
6)長期間の運転が可能で、自己の可能性が少ない
7)天候に左右されず昼夜を問わず、安定的に発電できる

8)地震でつぶれない
福島第1原発が重大な事故を起こしましたが、そのとき「東北電力」の地熱発電所3カ所(岩手県、福島県、秋田県)は無事でした。いずれも大地震発生で自動停止しましたが、異常はなく、2日以内に運転を再開したのです。しかし地熱発電は国内の発電の0.2%にすぎないのです。
八丈島(東京都)の東京電力八丈島地熱発電所では全電力の3割をまかなっています。

3. なぜできないのか

1)他の電源とのコスト競争に勝てない
2)国立公園の開発規制がある
3)温泉事業者から反発の声がある(悪影響はない)
資源の8割以上が眠る国立公園での開発を制限され、国の補助を受けられる「新エネルギー」指定からはずされていて、地熱発電は停滞しています。2008年にバイナリー方式の地熱発電だけ新エネルギー指定を受けたのですが、大規模開発は対象外だということになったのです。
地熱発電の基礎調査から稼働までは約10年かかり、政府の後押しがないと進まないのです。意見書では、開発を促進する「地熱法」制定を提案しています。
4)忘れてはならないのは、世界最大出力の地熱発電所は日本製だということ

環境省は2010年に、36年ぶりに国立公園での地熱開発に譲歩しました。日本地熱開発企業協議会によると、2011年3月には、規制区域外から公園敷地の地下に向かって斜めに地熱井戸を掘り進める開発2件が許可され、2011年夏に着工予定だということです。
資源エネルギー庁が2008年に設置した「地熱発電に関する研究会」によると、国内の地熱発電所が温泉に悪影響を及ぼした例はないのです。しかし、温泉の枯渇を懸念する事業者らの反発を受けて頓挫した開発事業もあったため、温泉業界との協調も普及のカギだといっています。

「3.11」の午前中に閣議決定され、4月5日に通常国会に提出された「再生可能エネルギーの全量買い取り制度」は、地熱発電も対象となりました。今はまだ、地熱エネルギーは国内の発電の0.2%に過ぎません(火力原子力発電技術協会「地熱発電の現状と動向 2009年」)。しかし、繰り返しですが世界最大出力を誇る「ナ・アワ・プルア地熱発電所」(14万KW)は、日本製なのです。2010年にニュージーランドの国有電力会社に納めました。既に技術はあるのです。日本国内の地熱の飛躍に期待したいものです。(オルタナ編集部=瀬戸内千代2011年4月18日参考)

地熱発電の仕組み

地熱発電の仕組み

地熱は、エネルギー資源にめぐまれないわが国にとって、純国産の再生可能な貴重なエネルギー資源です。また、地熱は発電のほかにも、浴用、施設園芸、道路融雪など多目的の熱水利用の熱源として地域開発にも役立っています。火山も多く、地熱開発の技術水準も高い日本で地熱発電がそれほど盛んでないのは、候補地となりうる場所の多くが国立公園や国定公園に指定されていたり、温泉観光地となっていたりするため、景観を損なう発電所建設に理解を得にくいことも一因となっているということです。

環太平洋火山帯(ウィキペディアより)

環太平洋火山帯(ウィキペディアより) クリックで拡大

日本が活発な火山活動及び地震活動の集中する環太平洋火山帯に属しておりプレート型連動地震であったことは、同じく環太平洋火山帯に属しているインドネシアで発生した大地震とメカニズムは同じです。上図に赤く示されたこの太平洋を囲む環状の火山帯では世界の過半数の活火山が集中しております。日本中いたるところに温泉がわき出ていますが、環太平洋火山帯に属する地域ではマグマ溜まり由来の膨大な地熱が発生しており、その地熱埋蔵量を資源は世界屈指(3位)の資源大国となるのです。

世界の地熱埋蔵量 クリックで拡大

世界の地熱埋蔵量 クリックで拡大

一目瞭然ですが、アメリカ、インドネシア、日本、フィリピン、メキシコと、地下資源量上位5国がすべて環太平洋火山帯に属しており、当然ながら地熱資源量と活火山数には強い相関が見られるわけです。

国別の地熱発電開発動向 クリックで拡大

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