2024年秋、日本の政治と企業は変わるのか リーダーシップの変革を

   

兵庫県知事のリーダーシップの欠如


兵庫知事は辞めろ」パワハラ疑惑で市民ら100人が抗議集会 | 毎日新聞 | 800 × 533 · 124 kB · jpeg「mainichi.jp
もうすぐ10月、秋とはいえないこの暑さ、中秋の名月(9月17日)も秋の風物詩ではなくなっています。この日の夕刻も35.7度でした。2024年の夏は平均気温が平年と比べ1.76度高く、突出した暑さで最も暑い夏だったと気象庁は発表しています。今年は、この秋も引き続き世界中で政治の季節となっています。最も注目はアメリカですが、日本も現在、自民党総裁選挙や自治体知事選挙(兵庫県)で政治談議が盛んになっています。


斎藤元彦兵庫県知事の自滅
兵庫県の斎藤知事が豹変したのは総務省の役人になってからだといわれます。総務官僚として出世コースを歩み始めた斎藤氏は、霞が関式政治手法(職員を上下関係でみる、職務と称して、法的に適切と称して無理無体を強いる、柔軟性を排除する、相手の尊厳否定をいとわない、人間身のない叱責、人事考課で脅すなど)を完全に叩き込まれ、その影響をどっぷり全身に受けて今の人格が出来上がったといわれます。現在総務省出身の知事は11人だそうですが、斎藤氏はことのほか、この傾向が際立っているようです。そして、政治家としてスタートした兵庫県政にそれを持ち込みました。そりゃパワハラ満載になるはずです。おねだりも当たり前になるはずです。そして内部通報者には死に至るほどのいじめをすることでしょう。県民の税金を私利私欲(自らの業績)のために使って平気でしょう。この斎藤元彦手法は日本帝国陸海軍と同じ根っこにあるともいわれています。戸部良一・寺本義也・鎌田伸一・杉之尾孝生・村井友秀・野中郁次郎著で『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』(1984年ダイヤモンド社刊)」では、日本軍が数々の軍事作戦の失敗にも関わらず、撤退の結論を出せず、責任も取らず敗戦まで引きずったことを、上位下達の日本型リーダーシップと暴力的日本型組織に原因があるとしていますが、斎藤知事の県政も霞が関も日本帝国陸海軍とまさしく同根の病巣だと思います。この際、絶対に斎藤知事の再生を許すべきではないと思います。


不信任案可決後も続投(?)への意欲を強調
兵庫県議会は、9月19日自民党や維新の会など5つの会派すべてと無所属議員、あわせて86人の議員全員が知事に対し、不信任決議案を提出し、全会一致で可決されました。不信任決議案の可決を受けて、斎藤知事は、辞職するか、10日以内に県議会を解散するか、判断を迫られることになっていますが、斎藤氏はまるで別次元の生きもののような、法律の意味が理解できないかのような態度です。ほんとにそうなのかもしれません。「法律の規定にそってさまざまな選択肢を考えていく。私にとっても県政にとっても大事な判断になるので、しっかり自分で検討する」と発言していて、テレビ出演を繰り返し、選挙運動みたいな熱演を展開しています。事実9月26日「次期知事選挙で出直し選挙に臨む」と出馬を宣言しました。ここで、時代を逆行させてはなりません!霞が関の長老(老害)政治を断ち切るためにも、ここはリーダーに値しない人物を知事として再度選ぶ可能性があるなどという余地を決して残してはならないと思います。霞が関政治手法を打ち破るためにも、日本帝国陸海軍の失敗戦法を繰り返さないためにも、斎藤知事の県政への復帰は許してはならないと思います。不信任決議案が全議員全会一致で可決されたという民主主義ルールは、当たり前に貫らぬかれねばなりません。
NPO活動と変革型リーダーシップ
私は40年近く小さなNPOを率いてきました。そこでいつも、いつも、悩んでいたのは、活動・経営とリーダーシップのことでした。初めは、女性が結婚や出産で仕事をやめねばならない現実は、とても悔しいので、仕事が続けられるように産休明けの無認可共同保育所を作ることから始まりました(1970年4月)。10数人規模の有志の集まりから100人以上の保育所の父母の会へ、そして行政区全体の父母の集まり、大阪市全域の活動へと広がって行きました。続いて女性がいったん子育てで仕事を辞めても再度、新たな仕事を含めて、仕事で活躍できる支援をする「再就職センター」(相談・セミナー・仕事斡旋など)の設立がその次の活動でした。その頃はNPOの法律もできていなくて(1998年成立)完全な任意団体でした。さらに広がって、すべての女性が仕事で輝ける社会を造るというビジョンのもと、「女性と仕事研究所」(女子学生・シングルマザーの就業支援、企業での女性の管理職支援)として活動する頃には、全国規模(東京・大阪に事務所)の活動になり、スタッフも10数人に増えていました。交渉対象は国・外郭団体、地方自治体、大学などに広がり、予算規模も拡大し、労働条件の改善や福利厚生も必須の状態です。またITスキルの習得も必要になって来ていました。
フェミニズムの視点から女性のキャリアを支援するという発想が日本の中に乏しく、アメリカ・カナダなどあちこちへモデルを求めて探し回りました。ニューヨークのカタリストへ何度も訪問しました。


「カタリストJAPAN(企業表彰)」事業をするべく、交渉に行ったこともあります。再就職・キャリアアップのための「ネクスト・ステップ施設」、「コミュニティ・カレッジ」にもかなり興味をもっていました。今も思い続けています。途中から株式会社を併設して、女性政策のコンサルや調査活動もしてきましたが、本命の活動はNPOをしてやり抜くと決意していました。


ビジョンとミッションを持ち、時代を変革するリーダーシップ
NPO活動もはじめの頃は、あくなき熱意と巻き込み力で、賛同者を増やし説得し納得してもらいながら、次々と新たな展開ができていました。しかし収益性と経営の安定が課題に入ってくると、リーダーにはマネジメント能力が必須になってきます。ことのほか事業型NPOは、株式会社のような収益性とNPO自らのミッション(使命)を両立させねばならないところに厳しさがあります。そもそもこの二つの両立は非常に難しいゆえに退職者も後を絶ちませんでした。そのたびに落ち込んでばかりでは先に進めません。
NPOのリーダーは、企業経営者とは特にミッション重視という点で違うし、かといって収益を上げねば存続しえません。フェミニズムを掲げて女性のキャリア支援をするNPOのリーダーとして、歴史上も体験したことがない(決して大げさではない)リーダーシップのあり方について悩んできました。そして次のようなリーダーとしてのスキル(能力)が必要だと痛感し、日夜努力をしてきました。
1. ビジョンを掲げ、ミッションを片時も離さないエネルギーを持つ
2. ビジョンとミッションを理解してもらう表現力(印刷物等)と説得力
3. 仕事を具体化する能力
4. 適切に計画を立てる能力
5. 社会の風、折衝者の思い、スタッフの心を感じ得る力(直観力・肌感覚)
6. 支援するスキル(ポジティブ・シンキングを忘れない)
7. 行動するスキル (ポジティブ・シンキングを忘れない)
8. コミュニケーションスキル(傾聴スキル:受容 共感 自己一致)
9. 決断する能力 (決断の判断には53%の可能性地点を探った)
10. 責任を取る能力(金銭上をはじめ、すべての責任)
女性のリーダーには、男性中心のカリスマ性を特徴とし、管理的能力中心のリーダーシップではない、上下関係でもなく、横並びで、協力的・協調的に仕事を進めていくリーダーシップが向いています。それは変革型リーダーシップにはとても有益であるとつねづね感じていました。特に女性が活躍する職域では有用です。それは、今回の兵庫県知事斉藤元彦氏のリーダーシップとは正反対のものです。女性リーダーが社会的に当たり前になる中で、従来の男性的・管理的・パワハラ的(セクハラ的)リーダーシップを是正するのに有用なものです。今、変革型社会へ向かって、新たに効果的なリーダーシップの型を定義し直さねばならないと思います。現在、従来の支配型リーダーシップではなく、奉仕型(サーバント)リーダーシップの利点がビジネス界でも広く注目されています。リーダーが部下のニーズを優先し、その成長と成功を支援するリーダーシップスタイルです。(後日のブログで)

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