パーキンソン病にips細胞による新しい治療

   

さまざまな細胞に変化する人のips細胞(人口多能性幹細胞)から脳の神経細胞を作り、パーキンソン病の患者の脳に移植する新しい治療方法の臨床実験計画が承認され、京大病院が患者選定を始める、という報道がされています。パーキンソン病は特定疾患(難病)に指定されていて、脳内の情報伝達物質ドーパミンを出す神経細胞が出なくなる病気です。徐々に筋肉が固縮し、身体が動かなくなります。

全国に16万人の患者がいるそうですが、実は私の家族もそのひとりです。思いかえせばもう5年以上も前になるかと思いますが、通勤時の歩幅が小さくなって、なんでも面倒がり、積極的に身体を動かすことがなくなってきました。怒りっぽくもなりました。でも年齢のせいだとしか思わず、介護保険の「要支援」の手続きをしてトレーニングに通っていましたが、よくなりませんでした。「怠けている」と思うこともありました。1年前、診察を拒否するのを周りの応援を得て、半ば強制的に診察を受けてやっとパーキンソン病が判明しました。もっと早く気付いていたらと後悔しています。

この1年で病状はものすごく進んでしまいました。治療・投薬をしていても、です。介護保険のさまざまな支援(ヘルパー・介護用具など)を受け、特定疾患の看護やトレーニングの治療をめいっぱい利用させてもらっても、です。

歩行を促進しようと『いっしょに犬の散歩をしよう』と飼い始めたプードル君は、4歳になりましたが、一度もいっしょに散歩に行けずじまいです。

以前はスポーツサイクリング車で走り回っていたけれど、これからは小さい自転車で足を鍛えようと買った自転車も一度も乗らずに雨ざらしのままになってしまっています。

自宅で座り込んで、骨折してしまうなど生活はどんどん不便になっています。自分でもそれが不甲斐ないのでいらだちます。

根本的な治療法はなく回復の見込みはないといわれ、これからどうなっていくんだろうと不安な毎日を送っています。

ips細胞での新たな治療は渇望されていますが、実際にはどのくらいの時間がかかるのだろうか。年内にも一例目が実施され、続いて7人の治療を行い、その結果を基に、最短で2022年に保険適用の申請をめざすといわれています。でもきっと間に合うことはないのかなとも感じています。

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