アメリカ大統領選挙が無事終わって、やっと心安らかになりました
カマラ・ハリス副大統領誕生
2021年1月20日バイデン氏が大統領に就任し、やっとこの4年間の心の中の暗雲がゆっくり消えていきました。2016年11月のヒラリー・クリントンの敗北以来、ずっとずっと心が晴れることはありませんでした。ヒラリーは、敗北宣言で「ガラスの天井は、やはり破れなかった。しかし若い女性たちはきっとそれをやり遂げるだろう」と語りました。
今回の大統領選の勝利のなかでも、カマラ・ハリス氏(56歳)がアメリカ史上初の副大統領に就任したことは、世界中に最も注目を与える出来ごとでした。世界の女性たちに大きな励みとなるものです。アメリカの女性参政権の獲得は1920年のこと、それからなんと、ちょうど100年目に、女性の副大統領が誕生したことになるのです。そしてガラスの天井を破ったのです。
カマラ・ハリス氏は、ジャマイカ系とインド系の両親を持ち、女性初のカリフォルニア州の司法長官となり、2016年の上院議員選挙で初当選したのです。
この日(11月7日)、2020年のアメリカ大統領選で民主党のジョー・バイデン氏の勝利が確実となり、カマラ・ハリス氏がアメリカで初となる女性副大統領の座につく見通しとなりました。この日の夜、カマラ・ハリス氏は、大統領の勝利演説に先立ってバイデン氏を紹介する演説を行いました。
「今回の選挙には、私たちの民主主義そのものがかかっていました。アメリカの魂そのものがかかっていました。世界中が注目する中、皆さんが新たな日をアメリカにもたらしてくれました。」
「今、母のことを考えています。何世代もの女性たちのことを。この国の歴史における多くの黒人の、アジア系の、白人、ラテン系、ネイティブアメリカンの女性たちのことを私は思うのです。彼女たちによって今夜のこの瞬間への道が切り開かれました。女性たちは闘い、多くのことを犠牲にしました。すべての人々に平等、自由、正義をもたらそうとしたためにです。黒人女性たちはあまりにも見過ごされてきました。しかし、民主主義の根底にある大切な存在だと証明してきたのです。
すべての女性たちは投票する権利を守るために1世紀以上に及ぶ努力を傾けてきました。100年前、憲法修正第19条が、55年前には投票権法ができ、そして2020年の今、私たちの国の新たな世代の女性たちが投票しました。投票して自分の意思を示すという基本的な権利のために闘っているのです。今夜、私は彼女たちの苦しみの闘いを思い起こします。彼女たちの確たる意思や洞察力を、です。何が成し遂げられるか見極め、後をついで取り組みたいと思います。
「すべての幼い女の子たち、今夜この場面を見て、わかったはずです。この国は可能性に満ちた国であると。私たちの国の子どもたちへ、私たちの国ははっきりとしたメッセージを送りました。ジェンダーは関係ありません。野心的な夢を抱き、信念を持って指導者となるのです。そして他の人とは違った見方で自分を見つめてください。他の人には、見つけられないかもしれないからです。私たちは皆さんの一歩一歩を温かく見守ります。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/a0203e15512e8fd3a99f931ca93d14155008d71aより抜粋
https://yahoo.jp/uTNWykg
この日の勝利演説に、カマラ・ハリス氏はクリームがかった白いパンツスーツで臨みました。そして1月20日の就任式には、ハリス氏は紫のワンピースと紫のコートでした。そして4年前、大統領選挙での敗北宣伝をしたヒラリー・クリントンも4年後の1月20日は紫のパンツ・スース姿でした。実は「白」と「紫」は、アメリカの女性の参政権運動の闘いを象徴する重要な色なのです。100年前と今年を祝って、女性たちは、白と紫の衣装に今後の女性の活躍を記念して参加したのです。
日本の女性参政権獲得は、1945年でした。アメリカから遅れること25年、これから25年後に、日本では女性の総理大臣が誕生するでしょうか。
Women’s Marchの力
アメリカの女性たちは、ドナルド・トランプ大統領の就任式の翌日、反トランプのデモを数十万の規模で実施しました。これが「ウィメンズ・マーチ」です。女性たちは「ウィメンズ・マーチ」で、4年間ずっと準備してきたのです。2020年の大統領選挙に向かって行動してきたのです。
2020年1月18日、私はサンフランシスコでの「ウィメンズ・マーチ」に参加しました。青空が美しい、サンフランシスコ市庁舎前は、ピンクの帽子やマフラーを身につけた女性たちで埋め尽くされていました。スピーチが始まる。赤いワンピースのサンフランシスコ市長(ロンドン・ブリード氏:初めての黒人女性市長)、続いて元カリフォルニア州副知事・現在は国会議員。赤いブラウス、3番目はアジア系で初めてのサンフランシスコ市議になった女性で赤い長いマフラーを大きく振り動かしています。音楽があちこちで奏でられる。踊りが始まる。派手、派手衣装の一団はゲイ・ピープルだという。手づくりのプラカードが動く。男性の参加者も多い。子連れもたくさんいる。犬といっしょの参加も多い。犬をおんぶしている女性もいる。車椅子も。年齢も人種も千差万別ながら、切羽詰まったデモという感じではなく、挨拶しながら、写真を撮りながら、笑いながら、余裕で、誰もがお互いを気づかいながら、ゆっくり歩く。ハイキングみたいだなって感じです。「日本から参加しています。女性の力を示そう」というプラカードをみてメディアから「こっちを向いてください」とフラッシュを浴びることが何度もありました。私たちは、あらかじめNPO「Department on the Status of Women(サンフランシスコ女性の地位部局)でプラカードの作成などをさせてもらい、一緒に参加させてもらいました。
このたびやっと、この4年間の暗雲が晴れたのは、この「ウィメンズ・マーチ」に参加できたことで、私も今回の勝利にかかわれたという気がして、固い黒い氷がいち早く溶け散ったのだと思います。
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