フェミニズムとわたしと油絵(2013~2023)(その13) もうすぐ展覧会!
2023/10/04
1.もうすぐ展覧会!
かねてより準備してきました「金谷千慧子フェミニズム絵画展」が近づいてきました。あと10日。10月15日(日)午後1時からスタートします。展覧会に先立ってのオープンニング・パーティは午後4時~6時までです。
10月16日(月)~19日(木)は午前10時~午後4時までです。ご参加をお待ちしています。
尚、オープニング・パーティにつきましては、定員になりましたので、9月30日をもちまして、締め切らせていただきます。
会場は大阪中の島中央公会堂(〒530-0005大阪市北区中之島1-1-27)の2階第6・7・8会議室です。地下鉄御堂筋線・京阪電鉄「淀屋橋」下車で、南側の入り口「サンクスガーデン」からお入りください。右側(東入口)から建物へ。第一「エレベーター」で2階へ。第6・7・8会議室です。北側の正面玄関は封鎖されています!
2.中の島中央公会堂について
この建物は国の重要文化財に指定されています。毎晩ライトアップが行われていますので、外から眺めた方も多いかもしれません。レトロな建築ですので、昼間でもひときわ存在感を放っていますが、夜になれば誰もが立ち止ってしまうような美しさです。大阪のシンボルともいえる光景です。館内のガイドツアーもあるようです。特に3階の「特別室」は美しいです。当初は貴賓室だったそうで天井画が美しく丁度品も高級です。
長らくの改修工事が終わって、2002年(平成14年)、大阪市中央公会堂は、美しく蘇えりました。大阪市中央公会堂は、中之島の景観に欠かせない外観と内部意匠が、歴史的建築物として、公会堂建築物として西日本で始めて、国の重要文化財にも指定されています。
3.寄付文化と大阪のアートの発展
「株の風雲児」ともいわれる岩本栄之助は、1911年(明治44年)、公会堂建設費として当時の100万円(父親の遺産50万円に自分の手持ち財産)を寄付し、その資金で公会堂は建設されました。現在の価値で数十億円だそうです。岩本栄之助は渋沢栄一が団長となった1909年(明治42年)の渡米実業団に参加し、アメリカ大都市の公共施設の立派さやアメリカの富豪たちによる慈善事業・寄付の習慣に強い感銘を受け、自分も寄付することを決意したそうです。
アメリカは、建国当初より寄付文化が当たり前のようになっており、ボランティア精神があふれています。ですから自分たちのコミュニティばかりではなく、自国を守ることも発展させることにも、この寄付文化やボランティア精神が生きています。また現在、アメリカのNPOの発展が目覚ましいのもこの寄付文化やボランティア精神に土壌があるのだと思います。現在アメリカでは約150万団体。なかには大学や病院も含まれます。日本では増えたとはいえ5万団体程度です。
岩本栄之助は 完成の2年前に、株の暴落により自殺してしまい(39歳)、公会堂の姿を見ることがありませんでした。設計デザインは29歳の岡田信一郎、設計は東京駅の設計で知られる辰野金吾・片岡安です。そして1918年(大正7年)11月17日完成し、オープンしました。それから100年以上経ったのです。
私の母親も大阪人でしたから、栄之助の話をよくしていました。「株は危ないよ。必ず浮き沈むがあるからね。地道に体を動かして働かないとね。公会堂を寄付する人でも自殺するんやからね」と。
私もこの公会堂へ講演など聞きに何度も行ったことがありました。日本の婦人運動家、日本の婦人参政権運動を主導した市川房江さんのお話もここで聞きました。子どもの頃は写生会では定番の場所でした。大人の絵画教室でも定番ですね。
中央公会堂では、1919年ロシア歌劇🈱によるオペラ「アイーダ」が公演をされたり、イタリア歌劇団によるオペラ「椿姫」、三浦環主演のオペラ「お蝶夫人」の公演などなど大阪の文化・芸術の発展にもかかわってきています。
そして私も大阪人ですから、展覧会をするなら中の島中央公会堂で実施したいと思っていました。しかし、絵画展が可能かどうかわからなかったり、抽選でなかなか場所を確保しがたいということも知っていましたので、抽選に挑むのを躊躇していました。ちょうど一年前、一緒にやっていただいている宮本厚子さんが、抽選に成功してくれて、やっとこの度、展覧会実施の運びとなりました。
「金谷千慧子フェミニズム絵画展」へお越しいただく皆様、フェミニズムアートの新しい動きと中の島中央公会堂の新しい息吹をぜひ感じていただきたいです。お待ちしています。
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