「魔女の秘密展」に行きました(天保山・大阪文化館)
しばらくこの欄を休んでいましたが、また再開します。
魔女には大きく2つのイメージがあります。グリム童話や現代のアニメに登場する明るく、こっけいな(あるいは可愛い)魔女とヨーロッパの中世から近世にかけての「魔女裁判」や「魔女狩り」の犠牲者としての魔女です。
後者の魔女は、ヨーロッパ各地で15世紀から17世紀にかけて社会的宗教的集団ヒステリーの被害者として、何の罪もないままに火あぶりや水攻め・斬首などで殺害された多くの女性たちです。
この後者の悲しい魔女の存在は明らかにはなっていますが、もっともっとこの負の歴史を私たちは十分に知る必要があると、この展覧会は伝えています。
毎日新聞社主催の今回の展覧会は、今なぜ、両者の「魔女」の存在を知るべきなのかを問う、とても充実したものだと思いました。「この魔女の秘密展」は、魔女として殺害された人数がもっとも多いとされるドイツのプファルツ歴史博物館で2009年に開催されたのが最初で、今回日本にやってきました。
この展覧会を機に出された冊子(「魔女の秘密展」公式図録)に、評論家山田五郎氏が「今こそ魔女を知るべき理由」と題して、こんな言葉で締めくくっています。
「魔女裁判が近代化の副産物だった事実が物語るように、魔女という文化には近代社会が抑圧してきた自然や呪術に関する知恵が秘められています。この展覧会が魔女裁判の悲劇を二度と繰り返さないよう自戒する一方で、魔女が象徴する自然強制方の文化を見直すきっかけになってくれれば、これほどうれしいことはありません」と。
私は、今まで外国にいくと、必ず魔女の人形を探して歩いていました。今回、売店では魔女の人形が20体ほど並べられていました。アメリカ産の魔女は、魔女狩りの歴史がない国だからなのか、とても明るくユニークなものでした。私が記念に買い求めたのが、写真の「ホレ魔女」です。「ホレ魔女」(Love Witch)は、パワフルで背中にホレ薬の媚薬を入れた袋をもち、ほうきの先につけているティーポットに入れて相手に飲ませる魔女なのだそうです。
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