ちょっと騒ぎすぎじゃないの?令和 (女性と仕事研究所同窓会、もうすぐ)

   

このところ毎日、毎日皇室の報道と「平成の歴史」「さよなら平成」だの「新しい令和の時代へ」だのと、報道は元号一色。そしてこれに乗じてつくられた連休で、5月1日のメーデーも5月3日の憲法記念日もすっかり色あせたものになったようです。

政治に利用されたといえます。5月1日のメーデーは、労働者の権利を主張する日ですが、労働組合の組織率が下がっている上に、天皇の就任日となれば、労組員以外の関心は低くなりがち。今年は第90回目で、1886年5月1日にアメリカ・シカゴで8時間労働制を求めてストライキが行われたのが始まりです。日本での始まりは1920年に東京・上野公園で第1回のメーデーで、戦争中、政府が禁止したため中断したのですが、戦後再開したものです。戦後、新たな姿ですっかり皇室は定着しました。天皇はみごとに、象徴としての天皇像を創り上げ、制度としての天皇制を定着させました。しかし天皇が元首でないのに、象徴なのに、元号を使うのは論理矛盾です。特に公的なところ(役所や学校など)が使うのはおかしなことだと思います。もう西暦だけで充分、役所(各種書類)や学校での2つ併記や元号の強要はやめてほしいものです。

世界には、190カ国以上の国がありますが、未だに元号を使っているのは、日本だけです。そして天皇がエンペラーと呼ばれているのも日本だけ。日本で、唯一、1300年も続いているのです。近代に入ってからも廃止されずに制度として残っているわけです。それをみても封建制度が根強く生き残っているのがわかります。この元号、もともとは中国が本家でアジア各国にはありました。しかし中国では中国共産党が建国をして1949年に廃止されました。それに伴ってアジア諸国も消えていったわけです。

そういう意味では、現在の日本は、産業の近代化と政治の封建風土が練りこまれて造られています。女性の労働条件の低さも夫婦別姓も認められないことも、若者の貧困も性の多様性も認められていない現状は、そこに土壌があるわけです。

今回の天皇の死去ではなく、譲位による元号の改変という新たな変革を成し遂げた日本の歴史のなかで天皇制の存続はこれからどう変化していくのか、楽しみなところですが、とにかく西暦と元号の二つ併記はやめたい。さらに元号の強要はやめてほしい。ビジネスの世界だけではなく、あらゆる分野で日本は、日本だけの世界を生きているのではないのだから。

 

「未来を切り拓く女性たちのNPO活動:日米の実践から考える」紹介(その3)

概要:日米のNPO活動実践・教育研究および、女性の権利擁護運動に関わってきた二人の著者が、これまでのNPOを通じた女性の活動を振り返るとともに、今後、女性がNPOをどのように活用し新たな働き方を探っていくべきかについて、展望する。出版社、明石書店。ソフトカバー248ページ。2592年(税込み)詳細は、以下からご覧ください。

https://www.amazon.co.jp/dp/toc/4750347787/ref=dp_toc?_encoding=UTF8&n=465392

 

読後感想文 「後輩として、しかと受け止めたい」

堂山智子さん(東京都在住、キャリアカウンセラー、女性と仕事研究所キャリアアドバイザー:女性と仕事ジャーナルに掲載論文(女性に対するキャリアカウンセリング、英国の就業支援機関視察報告など)

著者の1人、NPO「女性と仕事研究所」前代表理事の金谷先生は、長年、「女性と仕事」のテーマに取り組んでいらっしゃいます。 本書は、日本の女性史とNPOの歩みの歴史をわかりやすく説き、最新の統計データに裏付けられた問題提起をしているジェンダー論の 指南書であるとともに、著者が長年取り組んでこられた女性へのエンパワーメント活動の集大成でもあります。 時代を切り拓いてこられた著者が、淡々とパーソナルヒストリーを語りながら、後進の私たちに温かい眼差しを向けて、力強く、そして 優しいエンパワーメントを下さっているように感じます。 また、もう1人の著者、柏木先生によるアメリカの女性とNPOの最新情報に、かの大統領がいる今のアメリカはやっぱりそうなんだ というため息もでたのですが、それに対して果敢にエネルギッシュに取り組んでいるアメリカ女性のたくましさを改めて感じました。 とっても素敵な表紙カバー絵は、著者の金谷先生が描かれたもの。この絵からも、後進の私たち、全ての女性に託された熱い思いを感じます。 (しかと受けとめました。)まだまだ寒い日が続きますので、どうぞご自愛下さい。

 

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