From ロンドン No.2
2014/10/23
イギリスのコミュニティカレッジ
イギリスのコミュニティカレッジの最大の目標は「職業教育」
① 職業教育で自立を促進する。
② 自己啓発や知識を得るためのもの(カルチャーセンター的)
③ 大学への進学を目指し、学位を取る一歩になる
① 移民や多民族が世界で活動するための支援(留学後の語学教育など)
実学と密着した職業教育と大学制度の変化
イングランドに130の大学とカレッジがあるが、その内訳は46の旧大学にポリテクニクスから転換した34の新大学、50のカレッジが含まれており、18歳以上人口に広く高等教育の機会を提供している。1990 年代から、アメリカよりかなり遅れて進んだイギリスのコミュニティカレッジは実学主義。この生涯教育、延長教育と言われている諸学校すべてをカレッジと呼び、「コミュニティカレッジ」とわざわざ言わない人も多かった。ロンドン市内にもいくつもある。実学と密着した職業教育をいつでも受けられるということは、何度でもやり直しが効く人生のセーフティネットが用意されているということで、安心感がある。学問や科学技術などの高度化、EU諸国が「人材開発育成競争」時代に入っていることとの関係が深い。
今回訪問したのは以下である。
① Sussex Downs College(Lewes College)
Mountfield Road, Lewes, East Sussex BN7 2XH, UK (南イングランドブライトン方面 Lewes St.)
http://www.sussexdowns.ac.uk/
②Greenwich Community College(北イングランドNorth Greenwich St)
Plumstead Centre, 95 Plumstead Road, London SE18 7DQ
http://www.gcc.ac.uk/
③Birbeck University of London(Birkbeck, University of London)
Malet Street, Bloomsbury WC1E7HX Russel Square St.
http://www.bbk.ac.uk
④The City Literary Institude (Keeley Street, Covent Garden, London WC2B4BA HolbornSt.)
http://www.citylit.ac.uk/
サセックス・コミュニティカレッジとグリニッチ・コミュニティカレッジ
郊外のカレッジを訪問した。どのくらいコースがあるのかコーディネーターもわからないというくらい(1000以上だが、と言っていた)で、宿舎もあるし、ホームステイも可能だとのこと。まずは、英語力が問題になる。トイックなどではなく、イギリスのナショナル基準で、どこからはじめるかが決まる。コースが終われば、就職のためにカレッジ内のコネックションズで相談しながら就職を決める。
ただ外国人の場合は、学費も高いし就職もなかなか困難である。そう簡単なことではない。学生はフルタイムだけでなくパートタイム学生も多く、働きながらスキルアップを目指す人も多いようだ。
保育所
子どもをもつ女性のための保育施設は校舎の真ん中にあってどこからでもよく見える位置にあった。地域の人口構成を反映して、黒人やイスラムのベールを被っている女性も少なくない。教室では、せいぜい10名以下の学生が先生を囲んで、じっくりと話し込んでいるという風景があった。卒業後の就職にはコネクションズ(キャリアセンター)があり、個人面談もされていた。アプレンテシップ(見習い制度)やインターンシップなどの募集もあった。ここを卒業して、大学への進学もあるようだが、どこの大学へいけるかは、成績次第ということだ。わが国にもこのような柔軟な、しかも職業をきちんと目指すカレッジが是非必要だと思っている。
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