2回目の出版記念シンポジウムが終わりました

      2019/04/17

 

東京につづいて、3月28日(木)夕刻から第2回目の大阪での出版記念シンポジウムが大阪市立大学大学院梅田サテライトで開催されました。年度末の夜の開催でしたが、多くの懐かしい仲間が駆けつけてくださり、とても温かい雰囲気に包まれた時間になりました。
NPO法の制定から20年が経過し、NPOというアルファベットの3文字も、広く社会に受け入れられてきてはおりますが、一方でこれからの活躍こそが期待されるのに、近年新聞などでの登場が少なくなってきており、さらにNPOの組織自体もスタートから20年~30年の歴史を重ね、世代交代という重要な困難な課題を抱えるようになっています。

さらに「NPOの先進国アメリカ」でも、「女性産業」ともいわれるNPOですが、日本のNPO活動においても、サービスの提供も、サービスの受けても多くが女性です。しかし運営を担い、活動の中心となっている女性たちの苦難の時代が続いているのも事実です。スピーカーは以下の3人でした。

金谷千慧子(NPO法人女性と仕事研究所前代表理事)
玉田恵美(NPO法人 姫路コンベンションサポート理事長)
越堂静子(Working Women’s Network 代表)

これからNPOを支える者は何をすればいいのか。やはり女性の力でNPOの実力をつけるだと思っています。そのために、「変革を担う女性であり続けよう」
と訴えたいと思っています。(下は金谷の配布資料より)

 

 

玉田恵美さん、越堂静子さん、柏木宏さん、金谷千慧子

 

「未来を切り拓く女性たちのNPO活動:日米の実践から考える」紹介

概要:日米のNPO活動実践・教育研究および、女性の権利擁護運動に関わってきた二人の著者が、これまでのNPOを通じた女性の活動を振り返るとともに、今後、女性がNPOをどのように活用し新たな働き方を探っていくべきかについて、展望する。出版社、明石書店。ソフトカバー248ページ。2592年(税込み)詳細は、以下からご覧ください。
https://www.amazon.co.jp/dp/toc/4750347787/ref=dp_toc?_encoding=UTF8&n=465392

本書を読んで:亀田温子さん(十文字学園女子大学名誉教授、日本生涯学習女性財団理事)

「女たちのNPO活動」
金谷さんの活動を私は東京からいつも気にかけています。自らもNPO活動を立ち上げ、キャリア・アドバイザー養成など先駆的な活動をされた実践家としてのエネルギーはどこから―と思っていたらこの本が届きました。ご自身のこれまでのすばらしい、そして悪戦苦闘(!?)の活動とこれからに向けたその思いが、メッセージとしてつまっています。女性に関る世界の動き、時代の動きとその中を生きたご自身の活動を合わせて「女性たちの社会との係わり」を語るこの方法は新たな手法で、見事に成功しています。そしてご自身も実践された「NPO活動」を切る口にすることで、既存の企業人とは異なるかたちで社会と係わり生きる女性の姿が見えてきます。こうした生き方をする女性たちがいるのだと。それは「男女共同参画社会づくり」の行政ことばでは見えてきません。
女性たちが社会とぶつかる「困りごと」をどのように解決して生きることにつなげているのか、これまでの既存の企業組織や地域集団とは異なる「NPO」の存在を紹介し、女性のキャリア開発、再教育機関としてのコミュニテイ・カレッジまで視野に入れ、NPOによる政策提言の重要性やアメリカの状況も紹介する幅の広さ。柏木宏さんのアメリカ報告からも刺激をうけます。女性たち・若者たちが自分の将来を描く時に、どこの会社にという係わり方だけでなく、こうした社会との係わり方ですばらしい生き方が実現できる、「未来を拓く」生き方のイメージを拡大できる貴重な1冊です。私の社会と関るイメージも大いに広がりました。                                (亀田温子)

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