関西万博開催に反対します

   

先日英語教室の教材に「関西万博」の記事がありました。
大阪・関西万博が近づいてきました。2025年4月13日(日)から184日間にわたって開催されます。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」というようですが、極めて陳腐です。現在の地球破壊に対してやジェノサイドとともいえる侵略戦争を解決しようという心意気は全く感じられないテーマです。いまや、国を挙げて世界の情報を共有するためだけのEXPOは不要です。なぜならネットが進展し、情報も技術も瞬時に共有できるこの時代に、「展示パビリオン」などをつくって人を集めようとしたって、人はもうわざわざ来ないのです。資金を投入するだけムダ金です。もはや、1970年までの従来型(1851年第1回ロンドン万博以来)の万博は、その使命を終えていると思います。この大阪・関西万博については、海外パビリオンの建設の遅れや費用の増加があり、多大な負担を国民に押し付けているという声が日増しに増えています。パビリオン建設に関して各国からの申請が進んでいないことや、会場の人工島・夢洲(ゆめしま)と、市中心部側との間を結ぶルートがトンネルと橋の2本しかなく、災害発生時の避難が難しいこと、さらに、1月1日発生した能登半島地震のます災害が著しく、そこへの復旧を急がねばならないという緊急事態もあります。

英語の教材のWhy should any city want to host a world expo?(Japan Times 2023,Dec15)によると、「第2の都市である大阪市の当局者も懸念に直面している。先日、500日足らずで開幕する2025年の万国博覧会の前売り券が発売されたが、売れ行きは芳しくない。1970年のイベントは、6,400万人近くの来場者を記録し、岡本太郎の太陽の塔の像は、過去の栄光の象徴として今でも記憶に残っている。今回は、博覧会のマスコットとして多眼のラヴクラフトの怪物である「ミャクミャク」は、その魔法を取り戻そうとしているが、うまくいっていないようだ。建設費が高騰する中、大阪への参加を取りやめる国もある。予算案はほぼ倍増し、ネットユーザーや野党政治家は中止を求めている。先月の世論調査では、調査対象者の3分の2以上が万博は必要ないと言っている。別の調査では、約69%がイベントに参加したくないと答えている。政治家はイベントがうまくいかなければ責任を負わされるはずだ。菅前総理は、新型コロナウイルスのパンデミックを乗り越えて2021年の東京オリンピックを成功裏に開催し、事前の声高な反対にもかかわらず、その後の菅氏の評価には役立たず、リーダーはすぐに辞任した」とあります。

私はこの教材について、以下の理由で今回の万博の開催には反対の意見を持っていると教室でも発言しました。その5つとは以下のことです。
まず第1に、万博開催後にこの場をカジノにすることに対して反対です。もちろんカジノへの依存症への大きな懸念もありますが、それ以上に、日本で初めて、大阪をカジノで繁栄させようとする政策に反対です。
第2に土壌汚染と地盤脆弱の問題です。
この「夢洲(ゆめしま)」は、1977年から建設残土や廃棄物の処理とごみの処理場になってきたところです。地盤がごみなのです。大阪湾の底質から汚染物質のPCB(ポリ塩化ビフェニール)が長期にわたり検出されています。そうなると夢洲でもPCBが検出される可能性がとても高いのです。基準値の28倍と言われています。これは2023年4月、府市のIRの整備計画が認定された際に、整備計画審査委員会から突き付けられた条件の一つです。また、ごみからできているこの地は、地盤がぐさぐさで弱いのです。恒常的に地盤沈下しており、地震の際の液状化の可能性が指摘されています。高層建築物の立地には不向きな土地なのです。地盤沈下、液状化、土壌汚染に強い懸念があります。南海トラフ巨大地震への備えも必須です。計画では土地を改良した上で、事業者が高層ホテルや国際会議場などのIR施設を建築するとしていますが、一方で、政府の地震調査委員会は南海トラフ巨大地震の発生確率を30年以内に70~80%と算出しており、大阪IRの事業期間と重なります。22年7月には、「高層建築物を想定していない軟弱地盤に巨大な施設を計画し、大阪市が底なしの財政負担をすることは違法」として、市民ら5人が契約の差し止めを求めて提訴し、現在も裁判は継続しています。
第3に開催費用の増大していることです
2017年9月、会場建設費を約1250億円と見込み、国、大阪府市、経済界予定を大幅に据えています。増やすのは、これで2度目です。1度目は20年12月で、1250億円から1・5倍の1850億円に増やしました。2度目の今回はさらに500億円増やし、2350億円にしました。当初の2倍近くに増えることになります。半年間の万博に多額のお金をつぎ込むことへの批判があるのは当然です。この「つけ」は国民に回ってきます。
まだ、予算増の先が見えない状態ですが、それぞれ400億円強を負担するという試算を博覧会国際事務局に提出しました。2020年12月、諸物価の高騰などを理由に、会場建設費見込額は約1.5倍に上方修正されました。2023年9月、11月、会場建設費とは別に837億円の国の負担費用がかかると万博担当相が発表し、12月14日、万博協会は万博の運営費(人件費など)を当初想定の4割増の1,160億円に引き上げる資金計画案を発表しました。会場の運営や安全対策などの「会場管理費」に最多の560億円を計上。当初想定の2倍近くに膨らんでいます。
第4に工事の遅れが顕著なことです
パビリオンの着工は遅れています。ウクライナ侵攻による建設資材の高騰、人手不足、工期の短さ、会場である夢洲へのアクセスの悪さなども重なって手を挙げる業者が少ないとされています。日本の業者は、1月1日に起きた震災の復興に手を取られて、万博への資材投入、人材投入ができない状況があります。この状況を踏まえて海外パビリオンについて「もうデッドラインは過ぎている」との声も上がっています。強い危機感があります。
第5に文化の香りがないことです。
岸田文雄首相は「日本の魅力を世界に発信する観光拠点に」と期待しますが、外国人を引きつけるのは日本ならではの文化や自然でしょう。土壌汚染と地盤沈下では、魅力を損なうことになるでしょう。芸術性に全く欠けるのがこの度の万博です。

文化と言えば大阪府の吉村知事は大阪・関西万博のアンバサダーを務める、活動休止中のダウンタウン・松本人志さんの代役を立てないことを明らかにしました。吉村知事は性加害報道を受けて松本人志さんが活動休止を発表した今月9日アンバサダー活動も休止になる見通しを示していましたが、10日、松本さんの代役を立てないことを明らかにしました。性加害の文化を万博に結び付けるのでしょうか。「松本さんに代わる人はこの人だと言えるのは僕はなかなかいないと思う」といっています。
一連の報道を受けて、松本さんは週刊文春側に5億5000万円の損害賠償と記事の訂正を求めて提訴していますが、週刊文春は「記事には十分に自信を持っている」などとコメントしています。
大阪府・市と吉本興行との関係の深さに疑問を感ずると同時に、レイプまがいの風土を大阪の文化と思い違いしてほしくありません。

これも同じ程度の文化レベルだとやりきれない思いがしているのが、自民党副総裁の麻生太郎氏が、1月の講演会で上川陽子外相に言及、容姿や年齢を揶揄する発言をしたことです。「そんなに美しい方とは言わんけど」「おばさん」と言い散らかした麻生氏に対し、上川外相は「どのような声もありがたく受け止めている」と大人の対応をしたと報道されています。しかし、これを「大人の対応」といっていいのでしょうか。森喜朗元首相が言った「わきまえていらっしゃる」ということなのでしょうか。女性蔑視発言について、謝罪もしなければ、誰も注意しない。人権感覚に乏しい日本の文化です。

最後にジェンダーギャップ指数を明記しておきます。
みんなこのような文化レベルで政治家をしているわけです。万博も、国の政治も。ほんとに貧しい日本です。


「ジェンダー・ギャップ指数 2023(世界経済フォーラム)」では146カ国中125位の日本。特に政治と経済の値が低い。出典:男女共同参画局© All About, Inc.

I am against the holding of the Kansai Expo in 2025.
There are five reasons.

First, I am against the idea that the venue, Yumeshima (Osaka City), will become Japan’s first casino after the Expo ends.
Not only I, many persons were worried about casino addiction, I am also opposed to the policies that Osaka is trying to economically reflect on casinos.
Second is the week ground and contamination.
Since 1977, Yumeshima has been used as a processing site for construction waste and other waste. The ground is made from garbage. That’s why the ground is rough and weak.
The ground is constantly sinking, and it has been pointed out that there is a possibility of liquefaction in the event of an earthquake. This land is not suitable for high-rise buildings.
There is also the issue of soil contamination. The pollutant PCB (polychlorinated biphenyls) has been detected in the bottom sediment of Osaka Bay for a long time.
If that happens, there is a very high possibility that PCBs will be detected in Yumeshima as well. It is said to be 28 times the standard value. This is one of the conditions imposed by the Development Plan Review Committee when the prefecture and city’s IR development plan was approved in April 2023. There are strong concerns about land subsidence, liquefaction, and soil contamination.
Preparation for the Nankai Trough mega-earthquake is also essential. The plan states that after improving the land, the business operator will build IR facilities such as high-rise hotels and international conference halls, but on the other hand, the government’s Earthquake Research Committee has estimated that the probability of a Nankai Trough mega-earthquake occurring is 30 years. It is calculated to be 70-80% within the same period, which coincides with the Osaka IR project period.
In July 2022, five citizens requested a suspension of the contract, arguing that It is illegal for Osaka City to bear an endless financial burden by planning a huge facility on soft ground that is not intended for high-rise buildings. A lawsuit was filed and the trial is still ongoing.

Thirdly, the cost of holding the event is increasing.
They have a lot money planned. This is the second time I’ve increased it. The first time was in December 2020, when we increased the amount by 1.5 times from 125 billion yen to 185 billion yen. This time, for the second time, we increased the amount by 50 billion yen to 235 billion yen. This will nearly double the original amount. It is natural that there is criticism of spending so much money on a six-month long expo. The future of the budget increase is still unclear.
This “Tsuke” will be passed on to the people.

Fourth, construction delays are significant.
The start of construction on the pavilion has been delayed. It is said that few contractors are interested in the project due to a combination of factors such as the soaring cost of construction materials due to the invasion of Ukraine, labor shortages, short construction periods, and poor access to Yumeshima, the venue.
In light of this situation, some are saying that the deadline for overseas pavilions has already passed. There is a strong sense of crisis.
On January 1st, a major earthquake disaster occurred in the Noto region (Ishikawa Prefecture). There is an urgent need for reconstruction support. Both materials and human resources.

Fifth, there is a scent of culture.
Prime Minister Fumio Kishida hopes that the city will become a tourist hub that conveys Japan’s charms to the world, but what will attract foreigners will likely be Japan’s unique culture and nature.
On the contrary, it will make it less attractive. This year’s World Expo is completely lacking in artistry.

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