ベティ・フリーダンの思い出

      2014/10/23

ベティ・フリーダン(Betty Friedan)が亡くなった。85歳の誕生日、2月4日のことだったという。一つの時代が終わったのかという寂しさを感じるのは、多くの女性たちにとってもきっと同じだろう。

地球上の女性たちに読み継がれていった『新しい女性の創造』(Feminine Mystique:女らしさの神話)の出版は1963年のことであった。これが契機で世界レベルの爆発的なフェミニズム運動に広がっていった。女性を家庭での妻役割、母役割に閉じこめることが、性差別の最大の原因だというとても分かりやすい理論だった。NOW(National Organization of Women:全米女性機構1965年初代会長に就任)は、少し手ぬるいフェミニズムだと言われたりしたが、男性を敵にまわさない協調的なやり方で、賃金の男女平等、性の権利など多くの成果をあげていった。

私が世界会議で、ベティー・フリーダンの姿を見たのは、第3回のナイロビ大会とと第4回の北京会議だった。ナイロビでは、大きなブーゲンビリアの木陰でひとり、一人と話合うという手法をとっていた。でもあまり訪れるひとは多くなかったようだ。やはり壇上の方が似合うひとなのかと思った。

北京会議では、「老い」についてのワークショップを主催していた。私たちのグループ(22名)は、隣のテントで「M字型就業形態を超えて」というタイトルで、英語と中国語と日本語の熱いワークショップをやっと終えて、記念写真におさまりかけたときだった。「わーっ」、「きゃー」、「ベティ・フリーダンよ」と声が上がり、私たちの記念撮影にベティー・フリーダンが入ってきてくれたのだ。

私たちは「感激!」「ラッキー!」といいながらベティ・フリーダンを真ん中に上気した頬のままに、下の写真に収まったのだ。あれから10年余。今日訃報をを聞いた。

image2

 - 女性の活躍

  関連記事

no image
ハッピーキャリア企業表彰(wiwiw賞)審査会に寄せて

今年ももうすぐハッピーキャリア企業が決定します。書類審査を終え10社の企業をヒア …

スマートパワー(Smart Power)

スマート・パワーが成功への道 2013年2月1日ヒラリー・クリントン(Hilla …

雑誌『婦人公論』が100年を迎えました

『婦人公論』は、1916年(大正5)『中央公論』の女性版として創刊されました。『 …

no image
第3回ハッピーキャリア企業表彰【wiwiw賞】審査の講評

審査委員長 柏木 宏(大阪市立大学大学院創造都市 教授) このプログラムは、 2 …

アメリカ報告その4 AFTERコロナで経済活動は、もう少し減速修正するだろう

アメリカの新型コロナウイルス感染者数(195万1722人)・死者数(11万771 …

「202030」また、断念! どうしてこうまで遅いのか コロナ後の働き方を考える(その2)

暑中お見舞い! コロナお見舞い!申し上げます。 もうすぐ「アフターコロナの時代が …

「ジェンダー平等の種を蒔きつづけて・・藤枝澪子の足跡」 出版記念会に参加して

「おんなの解放をどう闘うか」という視点 去る12月2日、「ジェンダー平等の種を蒔 …

熱海まで足をのばしました。―MOA美術館とART 2022 OLYMPIA展

東京都美術館での研究会(デッサン研修)を終えて、こだまに乗り換えて40分、熱海に …

CSR(企業の社会的責任)とSRI(社会的責任投資)

「よりよい投資がよい社会をつくる」それはワーク・ライフ・バランスの観点から 「日 …

女性管理職1割未満が8割、春遠からじなのか

毎日新聞1月10日付に東京商工リサーチの調査結果が出ていた。 「管理職のうち女性 …