大同生命の源流”加賀屋と広岡浅子”展
NHKの朝ドラ「あさが来た」のヒロイン加賀屋の広岡浅子の特別展示が大同生命大阪本社2階メモリアルホールで開催されています。
英語のクラスが終わって、喫茶店に向かう途中に大同生命はあります。ここ堂島は蔵屋敷が立ち並ぶ天下の台所といわれた地です。 浅子が嫁いだ豪商加賀屋もこの地の両替商です。
明治維新の迎えた浅子は、新しいビジネスであった石炭に目をつけ、炭鉱事業に乗り出します。「西洋服」を着てピストルを胸に、どんどん坑内に足を踏み入れていった姿を見て、現地の人たちからは驚き、あきれられたといわれます。ただしピストルを持ってという話の真偽はわからないのですが、きっとそのいでたちから噂されたのでしょう。後に加島銀行の経営も安定し、浅子は明治35年、大同生命保険創業に踏み切ります。
もうひとつの浅子の大事業は、明治36年の日本女子大学校の設立です。女子教育の理想に燃え、巨費を惜しまず援助しました。

ドレス姿の広岡浅子
SANKEI EXPRESS 特別版より
以上が展示会での配布パンフレット「凄腕の伝説のヒロイン再び─激動の時代を駆けた浅子の生涯」を参考に、NHKを少し先取りしたのですが、この広岡浅子という人は本当に魅力的な女性だと思います。
原作は古川智映子さんの「小説土佐堀川」ですが、著者はこういいます。「”社会にはやわらかな女性の力が必要”という浅子の言葉が好きです。現代に通じる考え方だと思います。」この意見に私も賛成です。
しかし実際には、浅子の度胸や勤勉さ、実行力にもかかわらず、彼女はビジネストップの頭取にも社長にも就任していないし、日本女子大の創立者としても名前が残っていません。いずれも男性ばかりです。これは100年前の時代の表れなのでしょうね。
そしてまた、浅子が生家三井財閥の支援、影響を受けて、偉大な事業を成し遂げたのも日本の時代的特徴なのでしょう。
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