大同生命の源流”加賀屋と広岡浅子”展

   

IMG_0017NHKの朝ドラ「あさが来た」のヒロイン加賀屋の広岡浅子の特別展示が大同生命大阪本社2階メモリアルホールで開催されています。
英語のクラスが終わって、喫茶店に向かう途中に大同生命はあります。ここ堂島は蔵屋敷が立ち並ぶ天下の台所といわれた地です。 浅子が嫁いだ豪商加賀屋もこの地の両替商です。

明治維新の迎えた浅子は、新しいビジネスであった石炭に目をつけ、炭鉱事業に乗り出します。「西洋服」を着てピストルを胸に、どんどん坑内に足を踏み入れていった姿を見て、現地の人たちからは驚き、あきれられたといわれます。ただしピストルを持ってという話の真偽はわからないのですが、きっとそのいでたちから噂されたのでしょう。後に加島銀行の経営も安定し、浅子は明治35年、大同生命保険創業に踏み切ります。

もうひとつの浅子の大事業は、明治36年の日本女子大学校の設立です。女子教育の理想に燃え、巨費を惜しまず援助しました。

Image151102172015-000

ドレス姿の広岡浅子
SANKEI EXPRESS 特別版より

以上が展示会での配布パンフレット「凄腕の伝説のヒロイン再び─激動の時代を駆けた浅子の生涯」を参考に、NHKを少し先取りしたのですが、この広岡浅子という人は本当に魅力的な女性だと思います。

原作は古川智映子さんの「小説土佐堀川」ですが、著者はこういいます。「”社会にはやわらかな女性の力が必要”という浅子の言葉が好きです。現代に通じる考え方だと思います。」この意見に私も賛成です。
しかし実際には、浅子の度胸や勤勉さ、実行力にもかかわらず、彼女はビジネストップの頭取にも社長にも就任していないし、日本女子大の創立者としても名前が残っていません。いずれも男性ばかりです。これは100年前の時代の表れなのでしょうね。
そしてまた、浅子が生家三井財閥の支援、影響を受けて、偉大な事業を成し遂げたのも日本の時代的特徴なのでしょう。

 - 女性と仕事, 女性の活躍

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

「失恋休暇」がある企業ってご存じですか。

「週間朝日」6月10日号の特集は「女性が働きやすい企業115社」です。 この記事 …

公的教育支出、日本は最下位

OECD(経済協力開発機構)は2017年9月12日に、加盟国の教育に関する調査結 …

女性の、女性による、女性のためのNPOの可能性

出版を記念したセミナーで「女性NPOの未来」について、講師をしました。 2019 …

フラワーデモ、毎月11日、全国で動くー花を贈る優しさをデモに

性暴力と性犯罪に対する司法判断に抗議する「フラワーデモ」が6月11日夜、東京や大 …

4月10日は日本で女性が初めて参政権を行使した記念の日です。もうすぐ選挙!

4月10日は、わが国で女性が初めて参政権を行使した日です。 今からちょうど75年 …

3月も初旬を過ぎると春が近づいているのがわかります

2月には大阪にも雪が積もり、まるでお砂糖をまぶしたようにきれいでした。 その次の …

2012年度 ハッピー・キャリア企業表彰 

女性と仕事研究所メンター 森口ひろみ 10月に日本で開催された世界銀行の年次総会 …

「女性と仕事、なんでもそうだん」始めます

「女性と仕事、なんでもそうだん」始めます。

「女性たちのNPO」出版記念シンポジウムのご案内

NPO法の制定から20年が経過し、NPOというアルファベットの3文字も、広く社会 …

新型コロナウイルスは女性にどのような影響を及ぼしているか

      続くコロナ禍で働く女性のしんどさ コロナ禍の下、日本でも感染拡大は多 …