肉筆浮世絵展 その2 江戸の鳥瞰図
極彩色の美人浮世絵の中に、「江戸鳥瞰図」(鍬形蕙斎くわがたけいさい文化年間~文政3年1804~20)という江戸の街全体を一望する俯瞰図がありました。横1メートル26センチ,縦65.7センチと大きいものですが、それでも当時の江戸の街を全部納めるにはとても小さいものです。人もたくさん描かれています。
1800年ぐらいの江戸の人口は、100万人程度だったといわれています。世界の都市では北京:110万、広州・ロンドン:100万人(ジョージ・モデルスキー著”World Cities2003年)というところですが、生活の質などからみても、世界一の都市はやはりロンドンだったようです。江戸の人口は男性が多く、女性は全体の3分の1程度だったといいます。異常に男性の多い街です。
この「江戸鳥瞰図」は隅田川の左岸からみた図で、中央に真っ白の富士山がそびえています。双方へ山並みが連なり、その下に江戸城があります。下に描かれている隅田川沿いに浅草寺があり吉原も描かれています。緑が多く残っています。また隅田川は護岸工事が全くされていません。帆船や遊楽船などもあります。
肉筆浮世絵展を出て、すぐ近くの阿倍野区の「あべのハルカス」の展望台に登りました。F59階高さ300メートルは日本一高いビルなのですが、まさにここは現代大阪の鳥瞰図でした。
「あべのハルカス」展望台から4枚
関連記事
-
あけましておめでとうございます。
あけましておめでとうございます。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
-
認知症になっても、高齢女性の一人暮らしは可能か(その1)
今売れている2冊を読みました。上野千鶴子さんの『在宅ひとり死のススメ』(文春新書 …
-
ブログ リニューアルしました
English(英文はこちら) 12月3日、今日はとても空気が冷えています。御堂 …
-
フェミニズムとわたしと油絵(2013~2023)(その9)
やっと原稿を出版社に入れました。原稿を書き始めて1年ぐらいかかりました。本のタイ …
-
フェミニズムとわたしと油絵(2013~2023)(その16) 展覧会から2か月を経て
1 大阪市中の島中央公会堂にて10月15日(日)から19日(木)まで、「金谷千慧 …
-
与謝野晶子「山の動く日来る」の再来を その2
『君死にたまうことなかれ』と今、私たちは叫べるか 与謝野晶子の業績は多彩です。作 …
-
極暑お見舞い 2018年の夏―地球の悲鳴が聞こえます
酷暑が続いています。皆様この極暑をどのようにして乗り切っておられますか。 「平成 …
-
母の日
昔、母性神話に悩まされていた。「保育所に預けるなんて、母性というものがない人だ」 …
-
ブタペストの春
油絵を描き始めて1年経ちました。2年目の第1作は、ハンガリーのブタペストの風景で …
-
みなさまもお気をつけあそばせ!
2週間アメリカへ行っておりました。西海岸のサンフランシスコに1週間、それからニュ …
- PREV
- 肉筆浮世絵展に行きました─5/27大阪市立美術館
- NEXT
- わたしはなぜ、絵を描くのか