女性の力を活かすこと

      2014/10/23

―またしても提言、「女性の潜在力を活かせ」日経新聞(2013年5月31日、日本経済研究センター理事長岩田一政氏)からの抜粋

日本経済研究センターでは2050年までの長期予測を立てています。その未来予測のためにはまず、大胆な改革を実現すること。そうすれば、人口減少が続いても21世紀半ばに、1人あたり国民総所得(GNI)が840万円と現在から倍増するといっています。

その「成長シナリオ」では1人あたりの GNI は世界3位となります。そのためには第1に雇用慣行・制度の壁を破ること。日本は女性、若者、高齢者の洗剤力を活かせていません。正社員と費正社員を隔てる壁が厚い。長時間労働の正社員中心の雇用スタイルは、出産・育児の負担を負う女性の本格活用を阻んでいる。

現状を打破するには、法制度から女性活用に数値基準を設ける「ポジティブアクション」を明確にすべきであるといいます。国会議員の一定割合を女性にする制度は、すでに韓国を始め87カ国が導入しています。女性の労働参加が進んでいるノルウエイも40年前の女性国会議員の比率は今の日本並みでした。リーダー層(経営者や政治家)への登用を増やすことは、女性の意識を変える起爆剤になります。同時に年功序列から職務内容や責任範囲に基づいた雇用・賃金体系への切り換えを進めることです。短時間労働でも賃金、昇進、社会保障で区別されない仕組みです。選択肢の多い雇用形システムは、若者や高齢者、外国人労働者にも働きやすく、人材活用による生産性向上が期待出来る。

雇用の流動性が高めるため、離職しても円滑に転職がすすむよう、職業訓練の充実や人材仲介サービスの強化・市場整備が必要になる。

さらに国内外からの新規参入を阻む資本・規制の壁を崩し、増えるエネルギー消費をどう賄うのかの問題もあります。

さてこの3つの壁を取り除いた未来の姿はどうなるのか。女性の労働参加率、登用率の両面で今のオランダなみとなり、各方面で活躍します。正社員とパートの処遇を均等にする雇用改革にも成功し、高齢者の就業も進みます。投資・金融分野の経済統合を積極的に進める結果、市場開放度は米国やオランダ並みとなります。

働きやすい雇用環境が実現して労働生産性が高まり、優れたアイデアや事業モデルを持つ企業が成長をけん引きするします。50年までの平均成長率は1.3%と現在の2倍近くなるそうです。

予測では21世紀の世界経済を引っ張るのは米国である。一人あたりの豊かさでは北欧諸国が上位に来る。北欧は福祉とともに競争を重視する国です。成長の原動力は、民間企業の競争を通じて持続的なイベーション(技術革新)を促すこと、そのために、人材の力を活かすことである。伸びる国にはその条件が備わっている。中国は民間の力を引き出しきれず、成長は大幅に減速するといいます。

女性も男性も高齢者も海外の力も活用せずに、成長を維持ししている日本には洗剤力が眠っている。活力ある未来経踏み出せるかどうか、分岐点に立っている。と何度目かの警告にも似た提案がなされています。

 

 - 女性の活躍

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