パートの処遇改善はニート対策の解決にも

      2014/10/23

パートの働きに報いるために

撮影:吉岡理夫(元朝日新聞社 記者)

撮影:吉岡理夫(元朝日新聞社 記者)

新聞で「厚生労働省はパート社員の待遇改善を促す事業に乗り出す」と報じられている。(日経新聞2005年8月16日、火曜日の朝刊)

厚生労働省短時間・在宅労働課は、まだ来年度(2006年度)予算の概算要求(約5億円)の段階だから何も言えないというのだが、いよいよ正社員への登用制度を設けたり、正社員と同等の教育機会を提供する企業を助成するシステムを来年度から導入する方向は間違いない。

2004年のパート労働者は約1240万人となり、そのうち女性が70%を占める。この10年で40%近く増加、雇用者のほぼ4人に1人がパートである。パート社員が企業の重要な担い手になる中、その働きに報いるよう制度を整備するのである。ニート対策が言われているが、今の若年格差賃金ではなく、若年層の能力を底上げし、企業内の人的資源を有効活用する狙いもある。

女性パート社員の労働時間当たりの給与は一般正社員の65%(時間単位で比較できるものではないが)であること、職業訓練の機会に恵まれないことや、昇進・昇格の道が閉ざされていることなど、正社員との格差は大きい。
新たに始める支援事業は以下のような内容で対象企業に年間数十万円規模で助成する。

①パートから正社員への転換制度
②パートと正社員に共通の評価・資格制度
③正社員と同じ教育訓練制度などを設けて、実際に対象者を出す

パートなど低所得の働き手は増加傾向にあり、15~24歳の若年層でも30%を超える。先行きの人口減少などを控え、労働力確保のために、こうした社会保障の取り扱いも政策課題として浮上しているのである。パートの処遇改善は、何度も何度も総崩れになっている。そのたびになぜ日本だけが「均等待遇の原則」が受け入れられないのかと絶望的にもなってきたのだが、正社員への登用や教育の機会で処遇の改善が改善されることを、今度こそ本気で期待したい。

 - 女性と仕事

  関連記事

2008年8月15日メールマガジンのNZの写真

ニュージーランドでは、コミュニティカレッジにあたるところは「ポリテクニック」とい …

プレジデント社プレジデントウーマン編集長今井道子さんとご一緒しました

3月1日(日)三重県男女共同参画センター主催のパネルディスカッションのコーディネ …

女性管理職1割未満が8割、春遠からじなのか

毎日新聞1月10日付に東京商工リサーチの調査結果が出ていた。 「管理職のうち女性 …

人生100年会議での提案-やり直し職業教育

政府に有識者会議「人生100年時代構想会議」というのが発足しそうである。 世界に …

子どもと女性の貧困─現状と連鎖

2011年2月13日 CAP広島 冬の勉強会 報告 「子どもと女性の貧困─現状と …

コロナ禍のリーダーシップ (その4 フェミニン・リーダーシップ)

女性リーダーの国は「幸福度」ランキング上位    世界幸福度ランキングとは 世界 …

新型コロナウイルスは女性にどのような影響を及ぼしているか

      続くコロナ禍で働く女性のしんどさ コロナ禍の下、日本でも感染拡大は多 …

キャリアをデザインする─「フレンテみえ」Web限定 男女共同参画ゼミ<第1回>

三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」のWeb限定 男女共同参画ゼミで「キャ …

ワーキングプアのための新しい社会デザイン-コミュニティカレッジの役割-

上記は09年1月から、大阪市立大学文化交流センター(大阪駅前第2ビル6階)の卒業 …

CSR(企業の社会的責任)としての女性の働きやすさ

SR(企業の社会的責任)やSRI(社会的責任投資)という言葉が飛び交うこのごろで …