夫の死にあたふた(1~3)
夫死亡、コロナ禍の手作り葬儀、新しい葬儀の時代がくるか
弁護士の夫(85歳)が2021年5月6日に亡くなりました。
ここ6・7年難病といわれるパーキンソン病で治療中でしたが、薬石効無く、最後は心不全で亡くなりました。パーキンソン病にIPS細胞で回復効果が高いと報道されていましたが私どものところまでは届きませんでした。
かねてより、葬儀のやり方は手作りでとか、お経もお坊さんも、戒名も不要、墓も不要と話し合って合意していたのですが、コロナ禍で人が集まれないという前提では考えていませんでした。大阪でも緊急事態宣言の延長が4月25日に決まり、東京よりも感染者、重傷者、死者の数も最前線、感染の能力の強い変異型コロナはますます身近に迫ってきました。救急車にも乗れず亡くなる人も増えているという実情です。救急車のサイレンがいつもいつも鳴り響いている大阪市内のこのごろです。
大阪がコロナ最前線になった日、家族だけが手作り葬儀にしようと決めました。しかし、外国在住の娘は帰国が間に合いませんでした。関係者はパソコンのズームを使って参加してもらうことになりました。葬儀の担当職員の男性も昨日、濃厚接触者からの隔離状態から解放されたところだといいます。友人たちと一緒に居酒屋で会食。その後、居酒屋さんも含めて次々に陽性者が増えクラスターになり、陽性反応が出た患者の新婚の女性で、症状が出てからわずか24時間で、36歳で亡くなったのだそうです。「ショックでした」と言っていました。担当職員も含めて初めて尽くしの手作業が始まりました。遺影は本人が決めていたので、スムーズにいきました。それから本人が残した10冊程のアルバムからスライドショーにする写真を選びました。BGMも決めて私が司会のようなことをすることになりました。ご参加の「お礼の言葉」の文章を考えました。お花だけは少し華やかに飾りました。原則、平服の参加で香典などはいただかないと決めました。
はじめは15分ぐらいで終わってしまったら余った時間をどうしようと心配していましたが、ズームからの思い出話が進むにつれて、涙あり、ちょっとした笑いありで予定の1時間半を超えてしまいました。その後柩にたくさんの花を手向け、出棺の運びとなりました。
お経もいらない、戒名も、お墓もいらないという葬儀がこれから増えるかもしれないと思います。多くの人にはお経は、外国語に近いし、線香やろうそくも死生観が変わればおのずと別のものに変わるに違いないのです。「千の風になって」の歌があれほど多くの市民に好評だったのはきっとその先駆けだったのでしょう。
新しい形のお葬式は、簡単だから、安くつくからなどのメリットもあるでしょうが、ほんとのところは、残された者たちへの生きる力がよみがえるようなお葬式になればいいでしょうね。でもあまりにも若い人の死は辛すぎますね。
夫への新型コロナワクチン接種のお知らせは死亡後10日目に届きました。
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